第30話 叡智だね…

ルテナ君から抱きしめられているが、ツッコミをしなくても別にいいだろう

眠ろうと思ったのだが、ルナテ君の息が耳に当たってる気が…。

「…。る、ルテナ君息が耳に…。」

って寝てる⁉アイラトに助けを…。こっちも寝てる⁉

「…うぅ…」

だ、誰か、助けてぇ…。

「ん…。」な、なんか体が熱い…。早く起きてよぉ…。

だ、誰か…。

「どうした?大丈夫か?」

アイラトが起きた⁉奇跡だ⁉

「息が…耳にかかって…。た、助けてぇ…。ひゃっ…。」

アイラトは暫く私を見つめてくる。

息が少し荒くなってくる。

え⁉え⁉何?何?

「いや別に。」

溶ける。溶けるって…。

「あっ…。た、助けっんん…!」

何これ、何これ⁉本当に溶けちゃいそう…。

「…。」

いや見てないで助けてよ⁉

「助けてください。アイラト様って言ったら助ける。」

「助けて…ください。あ…アイラト様…。ひゃんっ‼」

何でこんな事言わないといけないの⁉

「はーい。僕に任せてー。」

アイラトがニコニコと私をルテナ君から解放して助けてくれた。

まだ息が荒いのは治っていないが、暫くすれば治るだろう。

「ねえ、気持ちよかった?」

「え?」

アイラトが笑っているのに怒っているような声で話しかけてくる。

「ごめん。分かんない…。昔は何されても大丈夫だったし、痛いこととか、体を触られても何も分かんなかったから…。」

「そっか。じゃあ、この話は終わりねー。」

こ、怖い…。そして気まずい。

息は元通りまで治ってきたので、尋ねる。

「なんで怒ってるのに助けてくれたの?」

「勿論、次からは僕から離れられないように教会から出られないようにして、教育を受けてもらうためだよ?大丈夫。少し痛いだけだから。だって僕から離れたらこんな事になっちゃったもんね?僕以外と話せないようにしてあげる。僕以外見れないようにしてあげる。」

え?え?アイラトもしかして愛が重すぎる…?

流石にこの話が聞こえてきたのか、ルテナ君が起きた。

「それ、流石にエーヴァさんに嫌われるよ?」

「大丈夫。離さないから。だから、そろそろ我慢の限界。僕のだから手を出さないでくれる?」


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