第29話 取り合い
「ねー。見てー俺のものっていう印ー」
「うるさい。寝る前照れてただろ。」
今日も不機嫌だなー。
「エーヴァさん。上手に起きれたしキスしてくれても良いんだよ?寝る前とかでもいいけど。」
エーヴァにニコニコしながら壁ドンうるルテナに慌ててルテナを掴み、距離を離して違う場所に置くアイラト。
「…。僕だって気持ちを伝えるくらいできるし!」
「わー。情熱的。ありがとうアイラトー。(棒)」
アイラトは棒読みでお礼を言われたからか不満そうな顔をしている。
「僕だって好きだし!」
「わあ。告白ありがとう。私ってモテてるー。きゃー嬉しいー(棒)」
うん。自分でも分かるくらい棒読みだよ。
イラト君ではなくアイラトだからかな。照れが全く来ないや。
「思ってないだろ!」
「wwかわいそー」
ルテナ君が見本を見せてあげるよ!とアイラトを見てから、私と目を合わせる。
「エーヴァさん。ちょっと抱きしめても良い?」
「え、うん?」
今回は聞くんだ。ルテナ君が私を抱きしめて、こういった。
「俺じゃ駄目…?好きなんだ…俺と付き合って…。」
真剣な表情がギャップがあって少しキュンとはしたかな。
「うん。ちょっとキュンとした狸の時の方が強いけど。」
「そっかぁ、俺頑張るね!」
しっぽがモフモフしてそうだな…。そう思った理由は嬉しかったのかしっぽが大きく振られていたからだ。
「か、可愛い…♡」
「一瞬でおちてるじゃん⁉」
そうだった。私モフモフ大好きだった。それを忘れてはいけないよね。
「しっぽ触らせてください!!お願いします!!」
「いいけど、後で眠る前キスしてくれるならいいよー。」
「はい。します!!♡」
エーヴァは一瞬でモフモフに負けた。
「僕だって角あるし。手だって変形出来るもん!」
「それは触ったら危険でしょ⁉いやあああああ!?暴れないでえええ⁉」
暫くアイラトが暴れたのだった。
その後結局しっぽを触った。
「モフモフしてる…。」
「ねえ、エルフの耳も触ってみてもいい?どんな感じなの?」
「別にいいけど。」
しっぽモフモフ…。毛並み良いな。ああ。ここは天国だ…。
ルテナ君が私の耳を触る。
「あははは…!なんかくすぐったいよ…!」
「へーエルフって耳触られても何も感じないと思ってた。」
「私も今知ったー。あはははは…!」
少しずつ触り方が変わってくる。
「…ひゃっ」
初めて女の子らしい悲鳴出したかもしれない。慌てて耳を両手で隠す。
「あ。ごめんね…?大丈夫?」
???何だったのかな。顔が熱い気がする。
「そういえば、あんた女だったな。」
「う、うるさい…。」
声が弱弱しくなる。は、恥ずかしい…。これは死にそう!
「大丈夫だって。元気出せよ。」
突然アイラトが優しくなったんだけど⁉恥ずかしいんだけど!?
「おい。ルテナ、わざとだろ。」
「わざとだよ?」
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