第22話 イラト

「おはよう!エヴァちゃん!」

「わ!イラト君久しぶり‼」

今日も喧嘩するのかと思いながら起きたけれど、今日はイラト君が現れていた。

「その子懐いてるねー。可愛いー。」

「うん!自慢の飼い犬なの!」

イラト君が少し驚いた顔をしたが、すぐにニコリ笑ってと褒めてくれた。

「そうなんだ!全然噛まないし、賢いね!」

イラト君が犬を笑顔で撫でる。

アイラトが噛まれてるだけでイラト君は噛まれてないし、教育はできてるね!

「キャン!」

犬が凄く懐いてる…。流石だ…。

イラト君は犬を撫でながらも私を心配そうに話しかけてきた。

「あのさ、副作用の時大丈夫だった?また体調が悪くなったら、いつでも言って」

「来てたの!?ごめんね。イラト君と話すの好きだから、次こそは副作用が来ないように行動する…。」

「副作用だから、仕方ないって。無理して起きたら死んじゃうかもしれないでしょ?死んで話せなくなったら悲しいよ。」

イラト君は優しく私を慰めてくれた。

そういえば、アイラトと話している時、飼い主に似るって言われた後に、懐いた人には優しいなって、犬に話しかけてたよね?

「クウーン!」

イラト君に頬ずりする私の犬。

「わあ…。可愛い!!」懐くの早くない…?

それに私ここまでは懐いてないのでは…。

「キャンキャン!」

イラト君の頬を舐めてる。え?似てるのかな…。絶対に似てないな。

「あはは!くすぐったいよーw」

私より懐いてる気が…。うん。似てないな!

ここまでは懐いてない!

「エヴァちゃんに似て可愛いね!」

「⁉あ、ありがとう…。」

え?似てるの?似て…。私ここまで懐いてるの⁉もう好きなのでは?

「どうしたの?エヴァちゃん?」

「…。何でもないよ!」

え?私イラト君好きなの?ならアイラトにこれされても照れるのでは!?

エーヴァは混乱しながらも満面の笑みを浮かべたのだった。

「…!そ、そっか」

恋する乙女は凄く可愛いのである。破壊力が恐ろしいほどあるエーヴァの笑顔なのであった。

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