第20話 狸拾った

「ねえ見て。外行ったらついてきたの。この犬飼っていい?」

「へー。モテモテじゃ…。」

エーヴァは狸を抱えてニコニコとしている。アイラトはどうツッコミをすればいいのかと同様する。

「キューン」

犬の鳴き声にそっくりで、アイラトはニヤけそうになる。

「かわいいでしょ。」

怯えないようにしているのか、声を小さくしてドヤ顔を向けてくるエーヴァに更に笑いそうになるが、アイラトは笑いを堪える。

「キャン」

「あのさー、わざと?」

「?」

全く何を言ってるんだという顔をするエーヴァ。

「それ狸だよ?」

「キャン」

「鳴き声が犬だから犬だよ。」

アイラトはとにかくエーヴァに狸を降ろすように言ってから、狸の様子を見る。

確かにエーヴァに懐いている。

アイラトが触ろうとした瞬間に威嚇された。そして噛まれていた。

「wwww」

「はー⁉飼い主に似て馬鹿みたいだねー?飼い主に似るって本当なんだね?w」

アイラトが笑っていると狸がエーヴァに嚙みついた。

「へー。本当だ。私に似てるね。いけー!!」

「痛いから止めろよ!?」

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