第16話五日目

「ねー。流石に起きてくれない?見つかっちゃったんだけど。」

教会が探索隊にバレてしまったので、アイラトが全て殺したのである。

死体には引っ掻いたような跡がついている。

「た、助けて…」

アイラトは相手を冷たい目で見てから自分と戦うという選択肢も持とうとしない相手を無言で引き裂いた。

「これで全員かー。帰りたくないけど、また来るかもなあ。」

アイラトは『クリーン』を使ってから死体も手についた血も消し去った。

「うん。綺麗になった。」

アイラトはニコリと笑いながらエーヴァの方へ向かう。

「血がここまで飛んじゃった…。ごめんね。『クリーン』」

綺麗になったエーヴァを見て安心するアイラト。

「絶対に戻るなんて嫌だ…。もう溶けるのは嫌だ…。死にたくない…。死にたくない…。」

だがすぐに恐怖が戻ってきていた。腕や足が溶けて使えなくなる恐怖、痛みは少なくても自分は死ぬだろう。という確信があった。

だけど、今は成功して生きている。どうしてまた戻らないといけないのかとアイラトは悩んだ。体も震えている。

「大丈夫…今の僕はとても強いから…大丈夫…大丈夫」

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