第10話アイラト

「え?なにこれ?」

アイラトの困惑している声が聞こえる。戻ったのだろうか。

「おはよう。じゃあ、私水浴びしてくるから。」

「この状況を説明しろよ。僕何もしてないよね?大丈夫だよね?」

なにか勘違いしている様子だったが、私は水浴びをしてから、すぐに帰ってきた。

「アイラト、とりあえず、落ち着いて」

アイラトは初めて自分の名前を呼ばれて更に動揺する。

「え?は?名前…」

昨日会ったイラト君の説明をする。

優しかったこと、紳士だったこと、愛称を付けられたことを話した。

「アイラト、イラト君とはまた会えそう?」

「副作用でなるなら定期的らしいけどね」

おお…。毎日は無理か…。

エーヴァからの態度が優しくなったのでアイラトは困惑している。

「あんた僕のこと嫌いじゃなかった?」

「今は普通かな。好きではないけど。」

出てくるときが苦しいかもしれないなら、流石に殴ったり、怒ったりしにくいな。

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