第9話 二重人格
「痛い…痛い…僕はこれを取ろうとしただけで…!」
そんな声が聞こえて私は目を覚ました。
この拘束を取ろうと暴れたのだろう。流石にこの状態は痛いだろう。
私はアイラトの拘束を取ってあげた。
アイラトは驚いた顔をして私にお礼を言ってきた。
「あ、ありがとう。」
お礼を言われた…。明日は霰が降るかも。
「初めまして。僕は副作用で現れたイラトだよ!君は?」
副作用で…。暴れるのも駄目になったのか気を付けよう。
「私はエーヴァだよ。」
このイラト君という子だってアイラトみたいに意地悪してくるかもしれない。
警戒はしておこう。
「よろしくね!」
優しい笑顔できるんだ…。戻ったらからかってやろう。
「よろしく。」
そして私達は体を洗いに川へ行った。
行く時に転びそうになったのだが慌ててイラト君が支えに来てくれて転ばなかった。「大丈夫?」「ありがとう…」
心配された⁉アイラト大丈夫か!?いや、今はイラト君だった。
その後も…
「ぼ、僕向こう行っておくから、終わったら伝えてね…」
紳士!?もう別人みたいに見えて私の頭の中には?が浮かび続けていた。
その後も…
「毛布はエヴァちゃんが使って」
愛称みたいな呼び名は付いたけれど基本いい子だった。
「い、イラト君は寒くないの…」
は!?え⁉私は何を言って…‼
「え?」「毛布一緒に入れると思うから…」
あああああああ!?止まって!止まって!私の口!!
私の顔が熱い。イラト君は困惑している。
「わ、分かった。ありがとう。エヴァちゃん」
良いの⁉待って待って、私、え?え?
その後一緒に仲良く眠った。
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