第4話 殴り合い

「よし。ここ僕の場所ねー。あんたは外。」

「⁉せめて室内に入らせてよ!」

アイラトは教会だったところの廃坑に入って過ごすというが私は外らしい。

廃坑の見た目は暗くても怖くなくて何故かお洒落に見える。

「あ。ここで戦う?魔法だと明るいから物理になるかもだけど。」

「…!明るくない魔法だってある!」

私は『身体強化』を使ってから、アイラトを蹴る

「おおー。焦りすぎでしょw」

アイラトは余裕そうに私を投げる。それでも私は強化したまま、壁を蹴りアイラトに殴り掛かる。

「あんた魔法の方が得意だろ。エルフが物理するんだ。」

私はそのままアイラトが戦闘とすら思っていないのか手が変わっていないことを見て驚いた。

「苦手なことをしてもいいの?今度は僕に殺されちゃうよ?」

っ!この…魔族が…!

『和解後に成功者が殺し合いをしたため、副作用が発生します。』

え⁉副作用…。待って、やだ、死にたくない、痛いのは嫌…!

「うっ…ぐっ…」アイラトが顔を顰めて倒れた。

そして、私の口から血が出てきて、全身に痛みが走った。まるで最初の時みたい、意識が少しずつ、飛んでいく。目を閉じたら死んでしまう。そう本能が教えてくる。

「あ…ああ…」かすれた声しか出せない。死にたくない。ごめんなさい。ごめんなさい。痛いことしないで…。

「ごめんなさい…。ごめんなさい…。」

アイラトの方はは咳をしながら顔を真っ青にしており更に腕から血が出てきている。

「い,嫌だ…。僕の体の形が変わっちゃう…。お願い…。ごめんなさい…。仲良くなるから…!」

『意思を確認。副作用を停止します』

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