第4話
救急車が到着すると、
すると、机の上のパソコンが開いたままであることに気付いた。
会議はとっくに終了しているはずなのに、幾人かが画面上に残っている。
「すまない。息子が怪我をした。病院に行く」
と伝えて誠二が閉じようとした瞬間、皆がにやりと笑ったように見えたのは気のせいだろうか……。
数日後、この田舎町で息子の通夜葬儀を執り行った。
遠方を理由に職場の同僚たちは姿を見せなかった。
妻は、なぜ息子をしっかり見ていなかったのかと自責の念に駆られているが、あの時間はいつだって妻は夕食の準備をしていたし、誠二は仕事をしていた。息子は居間で遊んでいるか、目の届く庭で遊ぶことが日課となっていた。何ら変わらぬ日常の中で起きた事故なのだ。
ただし、その引き金はあの得体の知れぬ「木箱」なのだが。
しばらくの間、誠二は憔悴した妻の側に寄り添っていたが、このままでは自身も気が滅入ると感じ、仕事復帰した。
久しぶりにリモート会議の画面を開くと、そこに
皆に「彼女は?」と尋ねると、「もうだいぶ前に退職し、別の企業に再就職した」という。
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