第49話 胸部圧迫により死亡
一が目覚めた時。
見知った天井が目に入る。
「アンパンマン」
一の声に峰子が反応する。
「あ、気がついた?」
「うん、眼の前にアンパンマンだもん。
あの位置は気づくよ」
一は小さく笑う。
「いや、そうじゃなく……
まぁいいわ。
ナースコール鳴らすわね」
峰子が反対側の位置にあるナースコールを鳴らそうと一の顔に峰子の胸が当たる。
「あ……」
時はすでに遅し。
一は再び意識を失った。
「あー。
これは意識ないね」
担当医の春雨銘がいう。
一とは知り合いだ。
「もう意識を戻すことはないでしょう」
銘の言葉に叫ぶみさき。
「そ、そんな……
一さん言ったじゃないですか死なないって……
愛してくれるって言ったじゃないですか!」
一はそんな事を言ったか考えた。
「先生、死因は?」
峰子が震えながら言う。
「鼻を圧迫されたことによる圧死ですね」
「じゃ、私は……」
峰子が震える。
十三が病室に入ってくる。
「宮崎峰子さん、貴方を斉藤一さんを胸部圧迫による殺人容疑により逮捕する!
確実に死刑だ!」
「そ、そんな!圧迫するほど胸はない!」
一はなにかおかしいことに気づいた。
これは自分が死んだからなのか?
自分がそこで倒れている。
これは死んだからなのか……
一はふと思った。
下からスカートを覗けばパンツが見れるんじゃないかと。
暴れる峰子を下から覗こうとした。
顔に水分が垂れてくる。
もしかしてこれって……
失禁?
一は恐怖した。
その水はオレンジジュースの味がしたから……
果汁100%のオレンジジュース。
「すっぱ」
一は目を覚ました。
「先輩ごめんなさい。
パンツ見せますから!」
慌てる蜜柑に今にも泣きそうな峰子。
「あれ?峰子さん、死刑になったんじゃ……?」
「なんで死刑?」
「胸部圧迫に寄る殺人罪により死刑」
「えー?」
峰子の顔が真っ青だ。
「夢?」
一は自分で自分を恥じた。
「凄い夢だったんだね」
葉月の顔がとても楽しそうだった。
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