第40話 GWは突然に
2024年4月28日。
世間はGWに入ってしまった。
軽音部は部活から同好会に格下げ。
部費は半分になってしまった。
一は百道を部員に誘うべく。
百道を探すべく公園や堤防を走り回った。
――とある公園
百道がそこでランニングしていると小さな女の子が上を見て歩いている。
そして走り出す。
百道はその女の子を避けようと体を逸らす。
女の子は百道に吸い寄せられるようにぶつかる。
「もー!どこを向いて歩いているの!」
女の子が百道を睨む。
「え?あー。
大丈夫か?」
「百道ダメなの」
「え?」
「こういうときは『お前の方こそ、どこを向いて歩いているんだ!』って言わないと恋ははじまらないの」
女の子は大きくため息を吐く。
百道は首を傾げる。
「お前、俺と恋をしたいのか?」
「バカを言うんじゃないの!
百道が自由に恋をしたら逮捕されるの!」
「優しいな自由は」
「なんでそうなるの!」
「だって俺の心配をしてくれているんだろ?」
「はぁ、百道に恋人ができるか心配になってきたの」
それを一部始終見ていた一。
「えっと……」
出るタイミングを失った一。
「お!一じゃん、どうした?」
「えっと百道くんをスカウトしようかなと」
「スカウト?」
「百道くんを幽霊部員と見込んで頼みがあるんだ……」
一は真面目な顔でいった。
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