第33話 うるうるうるうるらんらんらん
それから数日後。
4月21日。
「さて、作戦会議をしたいと思います」
薄暗い部屋で葉月がテーブルに肘を乗せ目を光らせる。
「……」
一同が唾を飲む。
緊張が走る瞬間だ。
「薄暗い部屋で何をしてるの?」
部活の顧問、
するとそこには、眼鏡に電球を付けた葉月がそこにいた。
「なんだ、そうやって目を光らせてたのか」
峰子が納得する。
「私も言葉を失っていました」
蜜柑も頷く。
「……で、部員は5人集まった?」
十三がそういって周りを見る。
「4人じゃん」
「うん
あとひとりです」
「吹奏楽じゃダメなの?」
十三の問に葉月が答える。
「吹奏楽じゃダメなんです。
ギターもベースもドラムもないじゃないですか」
葉月が目を潤ませる。
3年生が卒業した今。
部員は、葉月と一のみになった。
そこに峰子と蜜柑が加わり4人に……
「明日のクラブ紹介で部員で、部員が増えるといいね」
十三が優しく笑う。
「……はい」
元気がない葉月。
「さて問題です」
そんな葉月を見た十三が言葉をかける。
「今日は何曜日でしょう?」
「日曜日」
「君たち、何時から集まってる?」
「10時かな……」
「今は何時?」
「15時……」
葉月が萎む。
「法改正により土日は4時間以上部活をしたらダメなんだ」
「!?」
驚く一同。
「まぁ、そんなわけだから今日は解散!」
十三のその言葉により一同は帰宅することになった。
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