第12話 さよならは突然に
一はいつものように家で料理を作っていた。
テレビをつけっぱなしで料理を作っていた。
ニューステロップが流れる。
無音のニューステロップだった。。
【沖縄で旅行中の高校生男女が通り魔に襲われ重症】
ちらっと見えたニューステロップ。
「そう言えば、美姫と護も沖縄旅行だっけ??」
そう思って美姫と護とみさきがいるグループラインに通知を送る。
一「通り魔が沖縄に出たってテロップ流れたけど大丈夫?」
するとすぐに通知が返ってくる。
みさき「私も見ました。大丈夫ですか?」
1時間、2時間。
時間が過ぎても返事は返ってこない。
そしてニューステロップが流れる。
【沖縄で通り魔に襲われた男女死亡】
一は慌ててラインを送る。
一「美姫?護?」
返事は来ない。
そしてニュースへとチャンネルを変えた。
「こちらは沖縄県――です。
こちらでは高校生の葛城美姫さんと住永護さんがナイフで刺された現場です。
犯人は現在も逃亡しており――」
テレビのアナウンスが一のみ耳に入ってくる。
なにが起きているのかわからない。
ただわかったことがある。
一のスマホに美姫の母親から電話が掛かってくる。
一には出る勇気はない。
なぜならそれは美姫の死を護の死を受け入れることになるから……
でも出ても出なくても事実は変わらない。
シュレディンガーの猫の法則だ……
真実から目を離しても現実は変わらない
だから電話に出る。。
「一ちゃん」
美姫の母親が声を絞るように言う。。
「美姫……護くん。
死んじゃった……」
美姫の母親はその場で泣き崩れた。
一はぐっと唇を噛み締めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます