第18話:ダウナーちゃんと衝撃的な提案
「なるほどな。でもそんな幸せホルモンなんてものが体内に備わっているなんて全然知らなかったよ」
「うん、私もテレビを見るまでは全然知らなかったよ。あ、そうだっ、それじゃあさ、早速その幸せホルモンってヤツを沢山出せるように促してみたら? もしかしたらそれで健人は一気にリラックス出来るかもよ?」
坂野は紙パックのココアを飲みながらそんな事を提案してきた。
「あ、なるほど。確かに体内ホルモンの中には食事とかで作り出せるのもあるもんな。うん、それじゃあその幸せホルモンってヤツを作り出す方法があるなら試してみたいかもな」
「そっかそっか。うん、わかったよ。それじゃあその幸せホルモンってやつをどうやって作り出せるのか調べてみるねー」
そう言って坂野はポケットからスマホを取り出して検索をかけていった。
「おっ、検索出来たよー」
「あぁ、ありがとう。それじゃあ具体的にはどうやれば幸せホルモンってヤツは出せるんだ?」
「うん、ちょっと待ってね……えぇっと……ふむふむ……あ、なるほどー! あはは、そういう事かー」
「え、えっと……? 結局どうやったら幸せホルモンが出せるって書かれてるんだよ?」
「え? あっ、ごめんごめん。面白い話が沢山書いてあってつい集中して読んでいっちゃったよ、あはは。えっとね、幸せホルモンを出すにはねー……えっちぃ事をするのがオススメらしいよー」
「……はい?」
俺の想像していた回答とは全く違っていたので、俺はキョトンとしながら素っ頓狂な声を上げてしまった。
「あ、えっちぃ事ってのは具体的に言うとね……」
「え……って、えっ!? い、いやそんなのわざわざ言い直さなくていいからっ!!」
俺は顔を真っ赤にしながら坂野の言葉を制止していった。だって好きな女の子から生々しい言葉はちょっと聞きたくないというかその、は、恥ずかしいというか……。
(あ、でもそういえば……確かにそういうえっちぃ事をするとリラックス効果ですぐに眠くなる的な話は俺も聞いた事があるなぁ……)
まぁ聞いた事があるだけで実際にそんな効果があるのかは知らないんだけど。だって童貞なんだから仕方ないじゃん……。
「あれ? でもそういえば健人って今は彼女さんとかいるんだっけ?」
「え……って、えっ!? あ、い、いや、今は彼女はいないというか、そもそも今まで彼女なんて出来た事すらないというか……って、あっ!?」
俺は動揺のあまり気が付いたらめっちゃ恥ずかしい事を坂野に告白してしまっていた。
(い、いや何で今まで彼女が出来た事なんてないって恥ずかしい事を好きな女子に告白してんだよ俺は……!)
俺は心の中でそう叫んでいった。いや本当に穴があったら入りたいレベルで恥ずかしいんだけど……。
「そっかそっかぁ。彼女さんがいないんじゃあこの方法で幸せホルモンを分泌させるのは難しそうだねー」
「そ、それはまぁ……はい、そうっすね……」
「でもこのままだと健人のメンタルが元に戻らなくて辛いよね? うーん、それじゃあ他に何か良い方法は……って、あっ」
「……? ど、どうしたよ?」
坂野はスマホを見つめながら声を上げてきた。もしかしたらえっちぃ事以外で何か違う方法を見つけてくれたのかもしれないな。
「うん、実はもう一つ幸せホルモンを出す方法が書いてあったんだけどさ、どうやら身体を触れ合ったりするだけでも幸せホルモンは出るんだってさ」
「身体を触れ合ったり? それってつまりどういう事だよ?」
「あぁ、えっとね、例えば頭を撫でたりとか、ぎゅって抱きしめられたりとか、そういうのでも幸せホルモンは分泌されるらしいよー」
どうやら直接的なえっちぃ事じゃなくても、身体が触れ合ったりするだけでもそういう幸せホルモンが生成されるらしい。
「へぇ、なるほど。でもそういう事をするだけで幸せホルモンが出るなんてさ、改めて思うけど人間の身体って何だか不思議だよなー」
「あはは、確かにそうだよね。あ、でもさ、テレビドラマとかでよく見るけど、膝枕をして貰うシーンとかってあるじゃん? あれって何だかすっごく幸せホルモンが出てそうな感じがしない?」
「ひざまくら? あ、あぁ、それは……確かにちょっと感じるかもなー」
坂野が言ったように恋愛ドラマとかで膝枕をして貰うシーンって時々見かけたりするけど、確かにあれってめっちゃ幸せな気分を味わえそうだよな。
だからもしも現実世界でも彼女に膝枕とかをして貰えたら最高に幸せな気分を味わえるんだろうなぁ……。
「あはは、やっぱり健人もそんな感じするよね? ふふ、よし、それじゃあさ……試しに幸せホルモンが出るか私が健人に膝枕をしてあげるよ」
「あはは、なるほどー、坂野が俺に膝枕を……て、えええぇっ!?」
そんな坂野からの提案聞いてあまりにもビックリとしてしまい、今日一番の大きな声を出してしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます