長編小説の執筆 5(本文の本格的な生成)

今回は、作成したプロットを使って本格的にAIに執筆をしてもらう方法と、その結果をご紹介します。

次ページに生成結果もつけます。

繰り返しですが、AIが執筆した本文の利用は、利用者の責任となりますのでご注意ください。

本記事は検証目的での実施となっており、AI生成による小説の公開などを推奨しているわけではありません。




▼長編小説の本文生成の流れ


本文生成については、以下の手順で実施します。

1. 作品概要をAIに読み込ませる

2. 三幕×20シーンのプロットを順次執筆させる

3. 統合する

それでは以下に具体例を記載していきます。




▼1. 作品概要をAIに読み込ませる


ここまでに作成した作品概要をあらかじめClaude 3に読み込ませます。

以下は今回テーマにしている作品の例です。

———————————

プロの編集者として答えてください。


12万字程度の長編小説で、高校を舞台にしたホラー要素のあるミステリー小説で、カジュアルに楽しめるものにしたいです。

以下の内容の作品を予定しています。ここから、その小説についての相談をしていきます。



# 作品内容


## 舞台:

東京都にある霧崎高校


## キャラクター紹介:

1. 結城瑛斗(ゆうき えいと)

役割: 主人公

性別: 男性

誕生日: 2006年4月10日(牡羊座、戌年)

血液型: O型

趣味: ランニング、推理小説を読むこと

長所: 正義感が強い、勇敢、思いやりがある、素直

短所: 衝動的になりがち、自分を責めすぎる傾向がある

作中の行動原理: 真相を追求し、霊を解放するために奔走する。自分の関与に悩みながらも、最後まで諦めない。友情を大切にし、仲間と協力して難局に立ち向かう。

簡単な家族構成: 両親と妹の4人家族。家族との関係は良好で、特に妹とは仲が良い。


2. 神谷翼(かみや つばさ)

役割: 主人公の親友

性別: 男性

誕生日: 2006年9月17日(乙女座、戌年)

血液型: AB型

趣味: パズルゲーム、歴史書を読むこと

長所: 冷静沈着、分析力が高い、忠実、頼りがいがある

短所: やや人見知りで、初対面の人とは打ち解けにくい

作中の行動: 瑛斗を支え、共に真実を追求する。瑛斗が自分を疑った時も、冷静に対応し、最後まで瑛斗を信じ続ける。時には瑛斗の暴走を止める役割も果たす。

簡単な家族構成: 父親と2人暮らし。母親とは死別しており、父子家庭で育った。


3. 山崎美月(やまさき みづき)

役割: 自殺した先輩

性別: 女性

誕生日: 2004年12月1日(射手座、申年)

血液型: A型

趣味: ガーデニング、ピアノを弾くこと

長所: 優しい、献身的、面倒見が良い、責任感が強い

短所: 自己犠牲的すぎる、悩みを一人で抱え込む

作中の行動: 生前は瑛斗を助けようとしていた。死後は「悲しみの少女」となり、真実を明かすために瑛斗に働きかける。解放されると、温かい笑顔で瑛斗に別れを告げる。

簡単な家族構成: 両親と兄の4人家族。家庭環境は厳しく、親からのプレッシャーに悩んでいた。


4. 岸田大和(きしだ やまと)

役割: 真犯人

性別: 男性

誕生日: 2006年11月26日(射手座、戌年)

血液型: B型

趣味: ギターを弾くこと、裏サイトを探索すること

長所: 頭が切れる、観察力が鋭い、行動力がある

短所: 嫉妬深い、執着心が強い、共感力に欠ける

作中の行動: 美月への片思いから、瑛斗を敵視し、事件を起こす。瑛斗への敵意を隠そうとするが、時折感情的になる。追い詰められると、狂気的な一面を見せる。

簡単な家族構成: 母子家庭で、母親とは不仲。母親は仕事に忙しく、大和は寂しさを感じていた。



## あらすじ:

結城瑛斗は、学校の怪談「悲しみの少女」の霊に取り憑かれ、霊障に悩まされる。親友の神谷翼と共に調査を開始し、霊の正体が2年前に自殺した山崎美月だと判明する。瑛斗自身が美月の死に関わっていた可能性が浮上し、記憶の一部を失っている瑛斗は、自分が犯人なのではないかと苦悩する。しかし、真犯人は瑛斗のクラスメイト、岸田大和だった。瑛斗は真実を明かし、美月の霊を解放する。



## ストーリー展開:

1. ある日、瑛斗は偶然、美月が自殺した校舎の屋上を通りかかる。その時、強い頭痛と共に、美月の霊が現れ、瑛斗に「助けて」というメッセージを送る。

2. 瑛斗は「悲しみの少女」の伝説を思い出し、親友の翼と共に、霊の正体を調べ始める。

3. 霊が2年前に自殺した美月だと判明する。美月は屋上から飛び降り自殺したことが分かる。

4. 調査を進めるうち、瑛斗自身が美月の死に関わっていたことが明らかになる。瑛斗は美月がいじめられているのを知り、助けようとしていたが、十分な行動を取れなかったことを思い出す。

5. 瑛斗は自分の無力さを後悔し、自責の念に駆られる。さらに、美月の霊が瑛斗に執着している理由を探るうち、美月が瑛斗に助けを求めていたことを知る。

6. 一方、美月を追い詰めていた張本人が大和だと分かる。大和は美月への片思いから、美月を束縛し、いじめの主導者となっていた。大和は美月の日記を盗み読みし、美月の秘密を暴露するなどして、美月を精神的に追い詰めていた。

7. 瑛斗は大和を問い詰めるが、大和は罪を認めない。瑛斗は証拠を集めようとするが、記憶が曖昧なため、自分の行動に自信が持てない。

8. 瑛斗の行動が不審に見え、周囲から疑われ始める。翼までもが瑛斗を疑い、二人の友情に亀裂が生じる。

9. 追い詰められた瑛斗は、美月の霊と対話する。美月は瑛斗に、自分の死の真相を明かすよう促す。美月は瑛斗に助けを求めていたのは、生前、瑛斗が唯一の味方だったからだと告げる。

10. 瑛斗は真相を突き止めるため、再び大和に対峙する。大和は瑛斗への嫉妬心から、美月を死に追いやった経緯を告白する。

11. 真相が明らかになり、美月の霊は成仏する。瑛斗は美月に謝罪し、二人は和解する。

12. 大和は逮捕され、罪を償うことになる。瑛斗は自らの後悔と向き合い、前を向いて歩み出す決意をする。



## 伏線とどんでん返しの対応:

- 物語のはじめで、瑛斗が偶然、美月が自殺した屋上を通りかかる。その際、強い頭痛と共に、美月の霊が現れる。

→ 瑛斗と美月の関係性や、事件の発端となる伏線を張る。

- 美月の日記には、大和からの束縛やストーカー行為について書かれている。また、瑛斗が唯一の味方だったことも記されている。

→ 大和が美月を追い詰めていたこと、瑛斗が美月を助けようとしていたことの伏線となる。

- 瑛斗が美月を助けようとした際、大和に邪魔されたことを思い出す。

→ 大和が瑛斗を嫉妬していたことを匂わせる。

- 翼が瑛斗を疑い始めるのは、大和が瑛斗に罪をなすりつけようとしていたから。

→ 真犯人が瑛斗を陥れようとしていたことを示唆する。

- 美月の自殺現場である屋上には、美月のものと思われるネックレスが落ちている。後に、このネックレスは大和が美月に贈ったものだと判明する。

→ 大和と美月の関係性を示唆し、真犯人が大和であることの伏線となる。



# 三幕構成でのプロット


## 第一幕(40,000文字)

1-1. 瑛斗が偶然、美月が自殺した校舎の屋上を通りかかる。強い頭痛と共に、美月の霊が現れ、「助けて」というメッセージを送る。(2,000文字)

1-2. 瑛斗は「悲しみの少女」の伝説を思い出し、親友の翼と調査を開始する。(2,000文字)

1-3. 図書館で美月について調べる瑛斗と翼。美月が2年前に自殺したことを知る。(2,000文字)

1-4. 瑛斗が美月の死の現場を訪れ、強い頭痛に襲われる。美月がいじめられている場面の記憶が蘇る。(2,000文字)

1-5. 美月の親友に話を聞きに行く瑛斗と翼。美月がいじめに遭っていたことを知る。(2,000文字)

1-6. 美月の日記を読む瑛斗。大和からの束縛やストーカー行為について書かれている。(2,000文字)

1-7. 瑛斗は美月を助けようとしていたが、十分な行動を取れなかったことを思い出す。罪悪感に苛まれる。(2,000文字)

1-8. 瑛斗が美月を助けようとした際、大和に邪魔されたことを思い出す。(2,000文字)

1-9. 瑛斗が美月の霊と対話する。美月は瑛斗に、自分の死の真相を明かすよう促す。(2,000文字)

1-10. 美月の自殺現場である屋上を再び訪れる瑛斗。美月のものと思われるネックレスを発見する。(2,000文字)

1-11. 瑛斗は大和を問い詰めるが、大和は罪を認めない。(2,000文字)

1-12. 瑛斗は証拠を集めようとするが、記憶が曖昧なため、自分の行動に自信が持てない。(2,000文字)

1-13. 瑛斗は自分の無力さを後悔し、自責の念に駆られる。(2,000文字)

1-14. 瑛斗は美月への想いを胸に、真相解明を誓う。(2,000文字)

1-15. 瑛斗は翼に相談し、調査への協力を求める。(2,000文字)

1-16. 瑛斗と翼は、美月の通っていた塾の関係者に話を聞く。(2,000文字)

1-17. 美月の家族に話を聞きに行く瑛斗と翼。美月が大和に脅されていたことを知る。(2,000文字)

1-18. 瑛斗と翼は、大和の友人から大和の異常な執着心について聞く。(2,000文字)

1-19. 瑛斗は美月の霊と再び対話し、真相に近づいていることを報告する。(2,000文字)

1-20. 瑛斗は、自身が美月の死に関わっていたことを翼に打ち明ける。第一幕終わり。(2,000文字)


## 第二幕(40,000文字)

2-1. 瑛斗は美月の日記から、大和との関係性について新たな事実を知る。(2,000文字)

2-2. 瑛斗は大和の家を訪ね、大和の母親から大和の過去について聞く。(2,000文字)

2-3. 大和の日記を入手する瑛斗。大和の美月への異常な執着心が明らかになる。(2,000文字)

2-4. 瑛斗は美月の死の真相に迫るが、決定的な証拠が見つからない。(2,000文字)

2-5. 瑛斗は再び大和に対峙するが、大和は証拠不足を理由に瑛斗を論破する。(2,000文字)

2-6. 瑛斗は、美月の死の現場に大和が現れたことを思い出す。(2,000文字)

2-7. 瑛斗は、自分が目撃した大和の不審な行動について翼に相談する。(2,000文字)

2-8. 瑛斗と翼は、美月の自殺現場を再現し、その日の出来事を推理する。(2,000文字)

2-9. 瑛斗は、美月の霊から新たなメッセージを受け取る。(2,000文字)

2-10. 瑛斗は、大和に美月の死の真相を問い詰めるが、大和は否定し続ける。(2,000文字)

2-11. 瑛斗の行動が不審に見え、周囲から疑われ始める。(2,000文字)

2-12. 瑛斗は、美月の死の真相を追究する中で、自分自身の過去とも向き合う。(2,000文字)

2-13. 翼は、瑛斗の行動に疑問を抱き始める。(2,000文字)

2-14. 瑛斗は、美月の死の真相に近づくが、周囲の疑惑は深まっていく。(2,000文字)

2-15. 瑛斗は、美月の霊と対話し、真相解明への決意を新たにする。(2,000文字)

2-16. 瑛斗は、大和との最終対決に備えて証拠を集める。(2,000文字)

2-17. 翼は、瑛斗に対する疑惑から、瑛斗との距離を置き始める。(2,000文字)

2-18. 瑛斗は、美月の死の真相を知る人物からの連絡を受ける。(2,000文字)

2-19. 瑛斗と大和の対決が迫る中、翼は瑛斗への信頼を完全に失う。(2,000文字)

2-20. 瑛斗は、孤立無援の中、真相解明への最後の戦いに挑む。第二幕終わり。(2,000文字)


## 第三幕(40,000文字)

3-1. 瑛斗と大和の対決の日。瑛斗は、大和に真相を問い詰める。(2,000文字)

3-2. 大和は、瑛斗の追及に動揺し、自らの犯行を認め始める。(2,000文字)

3-3. 大和は、美月への異常な執着心から、美月を自殺に追い込んだことを告白する。(2,000文字)

3-4. 瑛斗は、大和から真相を聞き出すが、決定的な証拠はない。(2,000文字)

3-5. 瑛斗は、美月の霊からのメッセージを思い出し、証拠の在り処に気づく。(2,000文字)

3-6. 瑛斗は、翼に真相を説明し、助けを求める。翼は瑛斗を信じ、共に証拠を探す。(2,000文字)

3-7. 瑛斗と翼は、美月の遺品から決定的な証拠を見つける。(2,000文字)

3-8. 瑛斗と翼は、証拠を警察に提出し、大和の逮捕に協力する。(2,000文字)

3-9. 大和は逮捕され、罪を償うことになる。(2,000文字)

3-10. 瑛斗は、美月の霊と最後の対話を行う。美月は瑛斗に感謝し、成仏する。(2,000文字)

3-11. 瑛斗は、美月の家族に真相を報告し、謝罪する。(2,000文字)

3-12. 瑛斗は、翼と和解し、友情を取り戻す。(2,000文字)

3-13. 瑛斗は、美月の日記を読み返し、美月の思いを胸に刻む。(2,000文字)

3-14. 学校では、美月への追悼行事が行われる。瑛斗は、美月についてのスピーチを行う。(2,000文字)

3-15. 瑛斗のスピーチに、生徒たちは感銘を受ける。いじめについての議論が巻き起こる。(2,000文字)

3-16. 瑛斗は、自らの後悔と向き合い、前を向いて歩み出す決意をする。(2,000文字)

3-17. 瑛斗は、美月の墓前で、美月への思いを語る。(2,000文字)

3-18. エピローグ。一年後、瑛斗は美月の命日に墓参りに訪れる。(2,000文字)

3-19. 瑛斗は、美月との思い出を胸に、新たな一歩を踏み出す。(2,000文字)

3-20. 瑛斗は、美月の教えを胸に、真実と正義を追い求める人生を歩むことを誓う。終わり。(2,000文字)

———————————


※これを投げ込むと、上記作品概要についてコメントしてきますが、いったん無視で




▼2. 三幕×20シーンのプロットを順次執筆させる


以下のプロンプトで合計60シーンの本文を生成してもらいます。


———————————

プロの小説家として、指定したシーンを執筆してください。

文字数はシーンの末尾に(2,000文字)などと記載してあるので、指定した文字数の前後で書いてください。また、日本語でのマルチバイトのカウントでの文字数としてください。半角英数字としてのカウントだと指定文字数に至りません。

以下の指針を踏まえて執筆してください。


# 執筆の指針

人称:一人称で「僕」

文体:簡潔でリズミカル。重たいテーマなのでなるべく普段は明るいタッチ。下品ではない

書式:文頭に全角スペースを入れる。数字を漢数字にする、三点リーダーやダッシュ記号は2つ続ける、など、一般的な日本の原稿ルールを踏襲

描写:状況が明確にわかるように。過剰な比喩は不要。物理的に不可能な体勢やシチュエーションにならないように

叙述:どんでん返しが機能するように、怪しい物事や人物ほど、怪しくない表現にするなど、ミスリードさせる

注意:特になし


# 執筆するシーン

1-1. 瑛斗が偶然、美月が自殺した校舎の屋上を通りかかる。強い頭痛と共に、美月の霊が現れ、「助けて」というメッセージを送る。(2,000文字)

———————————


このような具合で、プロンプトを合計60回実行します。

また、実際は生成された文章を人間が確認し、微調整したり、「作品概要」自体を訂正したりしていきます。


ある程度執筆したら、第一幕、第二幕などの幕ごとの単位でテキストファイルにまとめて、個別にClaude 3に個別にアップロードしながら、できるだけ執筆時点までのつじつまを考えて、執筆を続けてもらった方がよいと思います。

全部生成が終わってからまとめるより、早期に「作品概要」の各種前提を直しながらの執筆をおすすめします。

(全部生成し終わってからだと、細かなずれの補正がどんどん手遅れになっていくので)




▼3. 統合する


AIが執筆した文章が出揃ったら、幕ごとにテキストファイルにまとめていきます。

こうすると、以下のようなファイルの塊ができると思います。

・作品概要

・第一幕の原稿

・第二幕の原稿

・第三幕の原稿

これらのテキストファイルを元に、推敲に入っていきます。



次の投稿では参考までに、Claude 3が生成した実際の文章の前半を掲載しておきます。

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