成長編
魔力操作と一週間
そして、今ここにいるに至るというわけだ。
気絶したあとのことは、何がおきたのかはわからないが、起きるとここにいた。
というかここはどこなんだ、とは思うけど、洞窟から出て周囲を見渡してみるにも、目が見えないし、体が不自由なので、この場所から動けず、暇なので思い返していたわけだ。
まったく信じられないけど、事実から顧みるに、やはり魔法陣に巻き込まれたあと転生したようだ。
魔法陣って勇者を異世界から召喚するものじゃないの、とは思うけど、それは思い込みじゃないよね?
まあともかく、俺は大学生だったが、あの魔法陣の効力なのかなんなのか、異世界の赤ん坊に転生したようだ。
ここを異世界だと思ったのは、魔法陣だからと思ったのもあるし、俺の体に血液ともまた違うが、まるで体の一部であるかのように、しっかりと馴染んでいる魔力があったからだ。
日本に生きてた頃にはなかったけど、これは魔力だと、意識の奥底で当たり前のように認識している。
長々と今の状況を推測していると、だんだん眠くなってきた。
これだからこの体はと思いながら、眠気に抗わず意識を手放した。
✕✕✕✕✕
〜1週間後〜
赤ん坊の体なので、睡眠が必要で寝まくっていたけど、やっぱりそれ以外の時間、何もせずにいるのは苦痛だった。
なにかないかと思っていると、体の中の魔力を動かせないか、ということに思い当たり、早速実践してみることにした。
地味な作業ではあったけど、耐久力はある方だし、とにかく暇だったからね。
初めは感じ取るぐらいしかできなかったが、何日も続けているうちに、だんだんゆっくりとだけど動かせるようになった。
初めて動かせたときに『魔力操作Lv.1を獲得しました』というゲームのような機械質な声がして、もともと異世界だと思ってはいたが、ここはやはり異世界だという確信を持った。
なぜ転生したのかはわからないし、友達や家族のことが心配というのはあるけど、今は、元の世界に帰る事ができるのかも、帰る方法もわからないので、それが見つかるか、するまでは、この世界で生きていくつもりだ。
…まあカッコつけてみたけど、一番大きいのは、やっぱり異世界を見たり、魔法を使ってみたいという気持ちだ。
日本で生きていた頃、俺は異世界物のゲームや小説にハマっていた。人一倍興味があった自信もある。だからやっぱり異世界には興味がそそられるのだ。
そして、魔力操作を毎日行い、だんだんレベルが上がって今は、『魔力操作Lv.2』だ。
レベルが上がる傾向を見るに、レベルが上がるごとに、だんだん次のレベルに上がりにくくなっていくようだ。
そういえば、目が見えないので、なんとか周囲を把握しようとしていると、『気配察知Lv.1』というスキルを獲得した。
なので、それのレベル上げも行っている。ただ、具体的に何すればいいのかわからないので、普段よりも集中して、気配を探ろうとしているだけだけど。
✕✕✕✕✕
一週間の成果
#<名前>ノア(家名なし)
<HP> 1/1
<MP> 1/1
<筋力> 1
<体力> 1
<瞬発力>1
:レベル2
:固有スキル "魔香"
:効果 "魔獣を引き寄せる"(※聖域では効果なし) #
<スキル> 『魔力操作Lv.2』『気配察知Lv.1』
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