第11話 掃除

 翼の後に続き、事務所に入る。見ていた感じは普通の事務所。だがオフィス?といえば良いのかわからないが仕事をしていそうな場所まで歩いてきた。しかし、俺は部屋の中を見て絶句する。そこはアニメで見るような闇金の事務所そのものだった。床には虎皮の絨毯、机の上には灰皿の中に、使われ放置されたタバコがこれでもかって程入れられている。


翼「あ!村長、前の荷物置きっぱなしじゃあねえか。仕方ない、後で届けてやるか。」

釖「つ、翼。村長、、さんは一体何をされていた方なのでしょうか。」

翼「ん?どうした。いきなり敬語になっちまって。ええっと、金融関係って噂で聞いたことがあるな。」


 はいアウトー!!この事務所で金融関係は確実に黒である。え、ホントに居るんだ。いや闇金って犯罪だから表立って事務所構えられないとかどっかの記事に書いてあった気がしたけど、、、ともかくこれ以上詮索はよそう(あと翼の村にはしばらく行かないどこ)。


翼「よし!まず掃除から始めるか。」


 そう言うと翼は近くにあった学校の掃除用具入れのような所に近づいた。だが翼が扉を開けると、、、


翼「あれ?ここじゃなかったのか。しかねえ。」


 (°д°)。バットはまずい。しかもちょっと血が付いて、、、


翼「なんだあんじゃねえか。よしお前も手伝え!!」


 翼は無知なのか、無視なのかわからないがなんも気にせず二本の箒を見つけ、一本を俺に差し出してきた。今はそれが何よりも羨ましい。俺は掃除中、否が応でも見つかってしまう闇金グッズにいちいちビクビクしながら掃除をした。


・・・・・・

 

 なんとか掃除を終えた俺達は、部屋を見渡す。先程の圧迫感からは解き放たれ、一般的なオフィスへと変わっていた。これには匠も(°д°)←この顔である。


翼「いやースッキリした。さて釖真。改めて言わせてもらおう。ここが俺達のだ!!!」


 事務所。やはり心が踊る。俺が子供の頃は家で漫画、ゲームだったから秘密基地を作る子供の気持ちがわからなかったが、今になってようやく理解できた気がする。


翼「この事務所では、依頼を受注したり、メンバーで集まったり、他にも様々な場面で活用していく。」


 ここで俺はある重要な質問を思い出す。


釖「そういえばだけど、依頼ってどうやって受注するの?」

翼「ああそれか。それについては考えてある。見て驚くなよ?これだ!!」


 そう言うと翼は俺の前にカバンから取り出したものを見せつけてきた。


『NTR断罪委員会!!』

彼氏、彼女を寝取られた。今にも寝取られそう。そんな方々は是非事務所まで!!!(NTRをした愚か者には断罪として生殖機能をなくします)

メンバーも募集していますので詳しくは以下の番号へお電話をください。


###~



 、、、え?俺は目を疑った。そこには黒い油性ペンで書かれた文の下に、幼稚園児が描いたかのように思われる絵があった。


釖「確認だが翼?これを本当に街に張り出そうとしてるのか?」

翼「当たり前だろ。探偵とかよくこんなポスター貼ってるじゃん。だから、、」


 こいつまじか。ツッコミ所が多すぎる。


釖「、、、まず翼。この文字はまだいいが、この絵はなんだ?」

翼「それいいだろ!俺が書いたんだ。敵をバットで殴ってる絵だぜ!」


 よし、こいつの感性が幼稚園児並であることがよくわかった。


釖「ええっと、、、次にだが。この内容だとまずいだろ。」

翼「どうしてだ?」

釖「いやどう考えても、このポスターが警察官に見つかってみろ。速攻で牢屋に叩き込まれるわ!どんな理由があろうと、やってること犯罪だからな。生殖機能なくすとか描いちゃダメだろ。」

翼「、、、(°д°)」


 ようやく気づいたらしい。翼の顔が初めて事務所みた時の俺と同じ顔になっている。


翼「危ねええ!!!危うく捕まるとこだったのか。お前頭いいな!」


 いやお前が悪すぎる、というツッコミは我慢して、質問を続けた。


釖「というか、俺の時のやつはどうやって受注してたんだよ。この前は俺がたまたま出くわしたからよかったけど。咲楽が受注するとは思えないし。」

翼「それについては個人的に相談を受けてな。あのチャラ男は今まで色んな女を強制的に寝取ってきたんだ。それで同じクラスのやつが俺に相談してきて、、」

釖「つまり、今までは運が良かったから発見できたのか、、」

翼「そうなるな。」


 これは早急に取り掛からないといけなさそうだ。


釖「よし翼。一緒に考えよう。」

翼「ああそうだな。」


 こうして俺達は夜通し依頼の受注方法について考えたが、答えを出すことができなかった。



ーーーあとがきーーー

 、、、はい。本当にすいませんでした。前回風邪で寝込んでて更新ができないと書きましたが、実はあの後、普通に風邪がぶり返しまして。それだけならまだ良かったんですが、風邪が治った直後に緊急で予定が入ってしまいまして。内容はちょっと言えないんですが、やっと今日落ち着いたので緊急で書いております。応援していただいていた皆様。本当にご迷惑をおかけしました。これからは何か理由がない限り、2日に一回くらいのペースで出す(はず)ですので、よろしくお願いします。

 あとこんな期間開いてたのに、もう3000PV行きそうなんですがこれはバグでしょうか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

NTR"断罪"委員会 プラチナ @platinum457581

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ