第4話 再会

 あの事件から数日後。


チャラ男たち「「「本当に申し訳ありませんでした!!!」」」


 あのチャラ男たちが、下校しようとする俺たちに校門の前で特大土下座をかましてきた。周りの目は、チャラ男たちを凝視している。


チャ1「我々は、自らの欲を優先し、貴方がたに多大なるご迷惑をおかけしました!!!我々を殴るなり、煮るなり焼くなり好きにして頂いて構いません!!」


 俺は心底どうでもいいと思った。というか、謝罪に来られるくらいならもう二度と顔を見せないでくれ。ヘドがでる。


咲「、、、邪魔です。私たち下校するので。それに二度と姿を見せないでください。」


 それは咲楽も同じ気持ちらしい。


チャ1「わかりました。もう二度と貴方がたの前には現れません。だから、」

チャラ男たち「「「だからには報告しないでください!!」」」


 あいつ、というのは恐らく、あの鬼のような大男のことだろう。あのチャラ男たちがここまで怯えるなんて、顔をよく見るとものすごいやつれている。一体何をされたんだ?


・・・・・・


咲「じゃあ、またね。」

釖「うん、また来週。」


 あの事件以来、彼女の安全のため毎日一緒に登下校している。咲楽を家まで送り届けて、別れを告げた。その後俺は家に帰り、ベッドの上へ寝そべった。そして、ポケットの中に手を突っ込み、ある物を取り出した。名刺である。あの大男が部屋に置いていった名刺。名刺にははっきりとこう書かれている。


『NTR断罪委員会』

『会長 白鬼しろおに


 NTR断罪委員会。聞いたことがない組織だ。委員会というくらいだからかなりの会員がいるのか。それに会長の白鬼は恐らくあの大男。あの人が会長なのだろう。


 なぜ俺はこの名刺を眺めているのか、それは俺はまだ、あの人にお礼を言えていない。チャラ男たちを担いですぐに窓から飛び降りたからお礼を言う暇もなかった。ちゃんとお礼を言いたい。


 そこで俺はあの人に会いに行くことにした。名刺には恐らく事務所の住所が書いてある。明日は土曜日なので会いに行くことにした。


・・・翌日・・・


 電車に揺られ数時間。俺は田舎にいた。見渡す限り田んぼ、畑、山、、。こんなところにあの組織があるのか。


・・・・・・


釖「え?ここ?」

 

 俺は目を疑った。俺の目の前にあるのは家とも言えないほどボロボロの家、いや倉庫だった。何だったら、その倉庫みたいな家には看板がついており、そこには


『白鬼能面』


 能面?!NTR断罪委員会だよね?だがというのは会長の名前と一致する。、、、ここ、なのか。てっきり事務所のような、行くとこまで行けばお屋敷のような妄想さえした。


 まあいい。とりあえずこのやるせない気持ちを奥にしまいこみ、その家の扉の前に近づき、扉を開けようとした。だが、


「あ、あれ?開いてない。」


 よく見ると、扉には張り紙と、使い古された木の板のようなものがあった。張り紙には


『NTR断罪委員会』


 と、白い紙に油性ペンで書かれている。やっぱりここで合っているらしい。そして木の板には、


『家主は裏の山にいます。御用がある方はしばらく待っていただくか、あるいはこちらまで来てください。』


 裏の山?と思い家の裏の方を見ると、確かに山があり、山へと繋がっていそうな道がある。、、、本当に何してる組織なんだろう。山に用事があるのか?とりあえず、


釖「、、、行くかぁ。」


 なぜわざわざ山に行くのか疑問だろう。俺はあの人にすごい感謝してる。方法はどうであれ彼女を守ってくれたし、何ならエッチも、、、。とにかく、俺にはあの人に誠心誠意を持ってお礼をしなければならない。そのためなら山の中だろうと、自分から会いに行くのが筋だろう。それにこんな田舎で待っていられる自信もない。スマホも圏外だし、、ということで、俺は山に入ることにした。


・・・・・・


 、、迷った。いや、途中までは良かったんだ。道も整備されてたし、アニメばっか見てる俺にとっていいリフレッシュになったし。だが途中で整備された道が終わってしまった。仕方なく、比較的道に見えなくもない獣道を進んでしまった。いやもしわからなくなったら途中で戻ってこれるだろと思ってたから。だが先の道どころか帰り道すらわからなくなってしまった。、、どうしよ。こんなことになるなら大人しく待っとけば良かった。


 周りには腰の高さまで成長した草が生い茂っている。とりあえず移動しなきゃ。俺は草をかき分けながら先に進んだ。


・・・・・・


 長いこと移動し、やっとのことで広い場所に出た。日は沈みかけている。そして俺はそこであるものを見た。


釖「でっけぇ、、」


 目の前には圧倒的な存在感を放っている大木がそびえ立っている。俺はその大木の下に近づいた。


 樹齢500年、いや1000年はあり、それによって樹皮もボロボロ。だがこういうのを趣があるというだろうか。不思議と嫌な感じはしない。そんな感じで大木を眺めていたら、突然


「グオオオオオオオオオ!!!」


 後ろから獣の叫び声が聞こえた。俺は後ろを振り返ると、そこにはがいた。それも2、3Mはありそうな巨大熊である。、、、ヤバい!!


釖「誰かーー!!助けてくれーー!!」


 俺は無我夢中で叫んだ。しかし、正直助かるわけないと思う。こんな山の中だ。人がいると思えない。


熊「グオオオオオオオオオ!!!」


 熊の大きな爪が俺に振り下ろしてきた。目を瞑り、死を覚悟した時、


「オラァ!!」


 誰かの叫び声と共に鈍い音が聞こえた。俺はゆっくりと目を開けた。そこにはクマにも負けないほどの体躯を持った上裸の大男が、持っていたバッドで熊の頭をぶっ飛ばしていた。


男「大丈夫か?にいちゃん。」



ーーーあとがきーーー

 正直、熊の叫び声ってどういう風に表現すべきなのか、よく分からんなぁ。何かアドバイスがあったら教えて欲しいです。ということでまた次回。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る