第16話

陸とショッピングモールに行った3日後、私は今日は久しぶりに集まった家族との時間を少しでも取ろうと思って陸とは遊ばず、1日家にいることにした。


私が朝に起きてリビングに行った2時間後、深夜に帰ってきたであろうお父さんが起きていた。


「あ、おはよう。」


「ああ、真由か久しぶりだな。おはよう。」


私は久しぶりに会う家族に何を話せばいいのか分からなくなる。ただでさえ、あまり会わない人なのにそれが父親ともなれば複雑な感情だ。


でも、今日はお父さんの誕生日だから、私も気合いを入れて接しよう。でもこういうのっていつ渡せばいいんだろ。もういいや!今やっちゃえ!


そう思った私は早速袋を持ってきてお父さんの所に行った。


「お父さん、誕生日おめでとう。」


私はお父さんに袋を差し出しながら言った。少し照れ臭いが、喜んでくれるだろうか。


お父さんは驚いたように私を見て、それから笑って袋を受け取った。


「ありがとな、真由。嬉しいよ。」


お父さんは本当に嬉しそうにそう言った。私はその様子を見てからやっと安心することができた。陸が大丈夫だと言ってはくれていたが、それでも不安感は消えなかったから、喜んでもらってるところを直接見れて良かった。


私はプレゼントをきっかけにその後にもお父さんと喋ることができた。学校の事、勉強の事、そして一緒にプレゼントを買いに行った私の大切な友達、陸のことも。でも、お父さんは私が陸のことを話すと何故かニヤニヤしていた。絶対お母さんからなんか聞いてるな。


私は小さい頃からあまりお父さんとは会えなかったけど、こうして話している時はちゃんと家族なんだな。って当たり前のことを再確認させてくれる。


ちなみに、陸が発案したボールペンは仕事に使えると割と好評だった。次に会った時に陸に感謝しないと。…陸にもなんかプレゼントしてやろうかな。








◇◆◇


真由が家族と過ごす日、俺は今日発売のゲームを買いに行っていた。前々から気になっていて、明日真由とプレイしようと思っていたものだ。ゲーム売り場に行くと、新作のゲームは目立つ看板と共に置いてあった。


残り一つだったので、慌てて俺はゲームを手に取った。その時、同じゲームを取ろうとした人が手を引っ込めた。


「あ、ごめんなさい!」


「いやいや、大丈夫ですよ。そんなに欲しいわけじゃ…あれ、倉井?」


思わず俺は頭を下げて謝ったが、その男の人は特に気にしたわけでもなく反応した後に俺の名前を呼んだ。俺が名前を呼ばれたことに驚いて頭を上げると、見慣れた顔があった。


「市山?」


「…奇遇だな。」


市山は苦笑いをして俺に言った。







—————————————————————

今回は真由の掘り下げ話。

主人公好き好き言ってるだけしたので。


また⭐︎を新しくくれた方がいました。

@morurinpaさん。

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