日常に現れる主君の塔 Modern dungeon
第4話 新世界
地蔵を破壊して気分良く目を開けると見慣れた天井が見えた。
やはりあの選択肢が正解だったんだろう。
ベットから身体を動かして自分の部屋から出る。
階段に差し掛かった所で何やらリビングが騒がしく感じた。
いつもなら静かにご飯を食べているはずだが…?
階段を降りてリビングに入ると両親の顔から目玉が飛び出んとばかりの顔をしていた。
「ん…どうしたの、そんな顔し…」
「ご、御覧ください…!昨夜2時ごろに突如として出現した様子で…」
「あ、新しい情報です…!?これから5分後に総理大臣が会見なさると…」
朝、目が覚めると世界が一新していた。
比喩とか隠喩とかそう言うのじゃ無い。文字通り変わっていたのだ。
「…まさかまだクエストの最中じゃ無いよな…」
此処までリアルに近い異空間は初めてだ。よし、二つ目の加護を使ってみよう。
(『オデュッセウスの加護』、発動!)
オデュッセウスの加護はトロイヤ戦争を終わらせたトロイの木馬と関連しており、効果は一日に一回だけ、他者が創り出した小規模な世界をその中にいる事でスタンドガラスみたいに破壊する事が出来るのだ。
だが、
「……うそやん…」
発動はしたが、不発だった。
つまり、これは現実という事だ。
なぜこうなった?やっぱりあの
なんだ、何故だ?
家族団欒と混乱している無常の視線の先には、こう書かれていた。
【ダンジョンと思わしき存在について】
………………………
…………………
……………
………
……
…
その日、学校は急遽休みだったので僕は自室のパソコンで情報収集する事にした。
時間を使って検索していくと少しずつ現状がわかり始めた。
新しく出来た洞窟はダンジョンと見られており、中には物語に出て来そうな化け物がいるんだとか。
洞窟の中では外部との連絡は取れないとか。
洞窟の中には宝箱があり、剣やポーションと思わしき物があるんだとか。
化け物には銃の類いは効きにくく、中にある石や剣は通常通りに攻撃が通るんだとか。
…一体何処の現代ファンタジーモノか?こんなのなろうとカクヨムで腹一杯に見たぞ?
二番煎じは嫌われるぞ?
けれど、なんでこんなにもダンジョンに関する情報が出ているんだろうか…?
「ふむ…『コンピュータ』。」
『コンピュータ』の技能値は70。さてどうかな?
サイコロが鳴りでた数字は………『98』…?
ファンブル!?
直後、パソコンのハードディスクから煙が上がって爆発した。
「はあー!?死ねよカスッ!」
先月入学祝いに買って貰ったばっかりなんだぞ?保証効くかなぁ…?
プスプスとなっているハードディスクを親に見つからない内に影に隠す。
流石に今日は何処も休みだろう。後でなんとか言ってパソコンを誤魔化さないとな。
やっぱりサイコロはクソ分かりきってる事だね。うん。
(…そういや、
ぜったいにアイツ関わってるじゃん。あー糞、ナイアルラトホテップの招来の呪文持ってねぇ…
俺が持ってる呪文と言えば霧出したり飛んだり物浮かしたり人の黒歴史暴いたりしか出来ないぞ?しかも燃費悪い呪文ばっかりだし…
頭の中を空っぽにして今できる事を考えてみる。
「………ダンジョン行くか。」
思い立ったが吉日。
やはり力をつけておいて損はないため今の内に下準備をしておくとしよう。
袖の影からナイアルラトホテップから貰った錠剤の瓶を取り出して蓋を開ける。
白と赤のよくあるタイプの錠剤だ。これを飲めば一時的に異世界に行けるんだろう。
机の上に書き置きを残して腕時計をつける。
この時計は地球の時間を正確に表してくれる時計で少しのズレもないのだ。
「さて、それじゃあ頂きます。」
僕は錠剤を口の中に放り込んで椅子にもたれながら目を瞑った。
『コソコソオカルト話』
無常は持ち物を大抵を影の中に入れている
以下はその一覧である。
影の中の持ち物。右の数字はその個数である。
火の精が数百込められたランタン。燃料はスピリタス
ヘカートⅡ 8
『無貌のニスデール』 1
非常食一月分
デザートイーグル 2
AK47 4
各種弾丸
異世界の初心者向けダンジョンの入り口に転移される薬1瓶
魔眼除けの類い 20
手榴弾 5
魚雷 3
ドローン 8
水晶玉 魔力を電気に変換出来る。 1
ルーンストーン(火) 効果は不明 1
ルーンストーン(勝利) 効果は不明 1
救急セット 1
車のバッテリー 2
日本刀(無銘)
日本刀(隕鉄 無銘)
黄金の蜂蜜酒 ワンカートン
スピリタス 25
魔力の込められた宝石 13
他、宝石などの探索で見つけた金銭的物。
ps
尚、今回の初ファンブルは予想外でした。
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