第2話「冒険者になる」

 冒険者ギルドベルデイル支部の建物の前で立ちすくむ若い男が一人。


 彼の名は「シュウマ・サイトウ」四日前異世界転生してきたばかりの一般男子高校生だ。


 彼は生きてシュウマはこの世界で生き残るため今冒険者になろうとしている。



「ヤバい緊張してきた。」


 

 一応心の準備はしてきたはずなのだが、こうしていざ実行に移そうとすると辺な汗をかくほど緊張する。


 だ、大丈夫だ言葉はちゃんと練習してきたし、ある程度の会話なら問題無い

はず… きっと上手くいく。


 恐る恐る、ドアを開け中に入る。


 中には武器を持った、いかつい輩共がずらり。


 こんなヒョロヒョロチビの平たい顔族が入ってきたもんだから視線が痛いのな

んの。


 だがこんなことを気にかけてちゃこの世界じゃ生きていけない。


 鋭い目線を振り解いて、受付まで歩いてゆく。



「冒険者ギルドの登録に来ましたっ!!!」



 こんな時に肝心なのは勢いだ、勢いに任せれば大体のことは次の段階に進むことができる。



「はいギルドの登録ですね」



 よし、言葉はわかるぞ。



「冒険者ギルドの登録でしたら、まずこの紙に必要事項を記入してくださいい。」


 

 げっ、文字の練習はしてないから書けないんだよ…

 

 どうしよう…


 まあここは、受付のお姉さんに手伝ってもらうしかないか。



「自分、少し遠くの国から来たばかりでまだ文字が書けないんです。なので自分の代わりに自分の言うことを書いてもらえないでしょうか。」


 そう伝えると受付のお姉さんは快く了承してくれた。

 

 本当に良い人ばかりで、善意に生かされているってこういう事なんだなと思った。


 一通りの手続きを済ませ、手続きが終わると冒険者についての説明を受けた。


 受けた説明の内容は以下の通りだ。


・冒険者とは言った物のその本質は何でも屋のような物らしい。

 

・依頼者は依頼を冒険者ギルドに出し、それを受注し達成すると以来のランクに

 応じた報酬がギルドから冒険者に支払われる。


・以来のランクはA~Gまでありそれ以上の難易度の依頼はSランクに指定される。


・登録したても冒険者は通常はGランクから、魔法が扱えるならEランクからのスタートになる。


・冒険者にもランク付けがあり、Cランクになるまでは単独での以来の受注が許さ

 れている。


・冒険者は自分のランクより一つ以上高い以来の受注は認められていない。


・依頼の内容によって冒険者が負傷又は死亡した際には冒険者ギルド側は一切の

 責任を負わない。

 

・2年以上活動がの成果のない冒険者は、活動が停止したとされ冒険者ギルドから

 除名処分となる。


 登録の手数料和払い、俺は無事見習い冒険者になった。 


 依頼は建物2階の掲示板にはり付けてある用紙の中から依頼を選んで、受付に持って来ればいいらしい。


 早速2階も掲示板の前まで行き、Gランクの依頼を確認する。


 一つ上のランクの依頼を受けれると言っても、初めての活動だしここは無難に1番低いランクの依頼を受けた方がいいよな。


 Gランク依頼…

 猫の捜索、井戸の修理、家事の手伝い、屋根裏の掃除、etc…


 魔物の討伐とかそういうことを想像して身構えていたけど、これならなんとかやっていける気がする。


「じゃあこれにするか。」


 Gランク依頼の中から一つ依頼を選ぶ。


 依頼内容はタリア平原に自生するカンポの木の実の採取。


 依頼主は「シューベルト・ライザ」


 報酬額は銀貨20枚だ。


 

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