残暑の残る長月に

ロクボシ

残暑の残る長月に

「暑いなあ・・・」


「暑いねぇ・・・」



 月は9月。またの名を長月ながつきとも言うこの月、うちの学校は行事がやたらと詰め込まれている。



 その中の一つの運動会で、僕の所属する吹奏楽部は行進曲マーチを演奏することになった。



 普段よりも早く部活へ歩いているのはそのためだ。



 9月というのはまだまだ暑い。特に今日は暑く、朝のニュースを見てみるとなんと最高気温は32℃とのことだ。どうかしている。




 朝だというのに蒸し暑いこの道を、僕は友達の奈々ななと一緒に部活へ向かっていた。



 雑談をしながら、学校へ繋がる長い坂を登っていく。もう9月の中旬だというのにセミは鳴く。



 学校に近づくにつれ、先に来て練習を始めているみんなの楽器の音が大きくなっていく。


「今日も練習頑張らないとだね!」


「だな」



 雑談しているといつの間にか着いていた生徒玄関で上履きを履き、僕らは音楽室へ歩き出した。

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残暑の残る長月に ロクボシ @yuatan

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