第4話 ジャンル・ジャンル・ジャンル
このエッセイを読んでいるということは、「既に小説を書かれている」もしくは「小説を書こうとしている」方だと思います。そこで、皆様はどのような作品を書かれている(書く予定)でしょうか?
主人公がトラックにはねられて、神様から特別なチートスキルを授かり異世界に転生させられる話ですか?
無能扱いされてパーティを追放された主人公の前に、ピンチに陥っている美少女が現れ、実はチート級の能力の持ち主だった主人公が彼女を助けると、彼女から好意を寄せられる。その一方で、追放したパーティは主人公が抜けたことで大変な目に合う話ですか?
婚約者に裏切られ、婚約破棄を言い渡された女性主人公の前に、前の婚約者よりも高スペックなイケメンが現れ、女主人公は溺愛され幸せな生活を送る。その一方で、前の婚約者は、新たな婚約者の女性は外見だけの性悪女で、大変な目に合う話ですか?
突如、現代にダンジョンが現れ、ダンジョン内では、外の世界の銃火器が使えない代わりに、テレビゲームのようなスキルやレベルの概念がある。そんなダンジョンが一般に開放された世界で、主人公がチートスキルに目覚め、ピンチになっているアイドル配信者を助けたところ大バズリし、次から次へとヒロイン達が主人公の元へと寄ってくる話しですか?
上記のようなテンプレートは、カクヨムをはじめとしたWEB小説で効率的に各数値を伸ばすことが出来るストーリーラインと言われております。
テンプレ作品を目の敵にする人が時々いますが、このテンプレ沿って作品を作れば、プロットやキャラクターを練ること無く、起承転結を満たした作品を生み出すことが出来ます。(そもそも、プロットやキャラクターを練らずに小説を書くことが良いか否かは別ですが……。)
また、先日開催された「電撃の新文芸5周年記念コンテスト」の概要の中に下記のような文があります。
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編集部が求める作品として、「ありそうでなかった!」と思わせてくれる作品を読みたいと思っております。
たとえば、こんな作品……
・お屋敷を飛び出して自分の好きなことをする悪役令嬢! なのに周りからは感謝されてしまう!?
・こんなスキルが役立つ!? 現代でありながら異世界のチートスキルで無自覚無双!
・もふもふな相棒と美味しいグルメを満喫! ただし、そこはダンジョンで――!?
・異世界で現代知識を駆使して成り上がる! 二つの顔を使い分ける男装主人公!
・後宮を舞台に知識チートでお悩み解決! でも相談相手は人だけじゃなくて……?
これらはあくまでイメージですが、定番の組み合わせに“ひとつまみの予想外”を加えたり、お約束のストーリーでも物語の舞台をズラしてみるなど、これまでの固定観念に囚われない貴方ならではのオリジナリティを発揮していただければと思います。
引用元:https://kakuyomu.jp/contests/dengeki_shinbungei_5thanniversary/detail
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ラノベ界でもかなり大きなレーベルである、電撃の新文芸で求められているストーリーも、ベースとなるテンプレを少しひねったような作品が求められているようです。
ただ、物語を考える前、もしくは物語を考えている最中に合わせて実施する必要がある工程がございます。
それが今回の本題、ジャンル選びです。
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ジャンルエラーと言う言葉が生まれるくらい、ジャンル選びはシビアです。
同じような話を創ったとしても、ジャンル選びが適切でないだけで、各数値の数が全然異なる場合も存在します。
というのも、各ジャンルの作者数・読者数に大幅な差異があるためです。また、カクヨムコンに応募するに当たり、ジャンル毎に受賞難易度が変わってきます。
カクヨムコン8にて応募された各ジャンルの作品数と、そのジャンルの中で受賞した作品数ともとに、ジャンルごとの受賞率を計算した結果が下記です。
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()の中身は受賞率
異世界ファンタジー:2860作品(約0.5%)
現代ファンタジー :1003作品(約0.5%)
恋愛 :586作品(約1.2%)
ラブコメ :882作品(約1.4%)
ライト文芸 :638作品(約1.1%)
ホラー :240作品(約1.3%)
エンタメ総合 :1309作品(約0.2%)
カクヨムプロ作家 :411作品(約4.1%)
引用元:https://kakuyomu.jp/works/16817330650806209826
合計しても、カクヨムコン8で公表されている合計作品数と異なるため参考程度にご確認下さい。
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カクヨムコンを意識してジャンル選びを行うのであれば、激戦区となるファンタジー系と、作品選定の難しいエンタメ総合を避けた方が良いでしょう。
ただ、テンプレを使う場合、婚約破棄作品は恋愛ジャンルですが、それ以外はファンタジー作品に分類されることが多いため、激戦区のファンタジーで戦うのか、独自性を押し出した作品で激戦区を避けるのか考えなくてはなりませんね。
もちろん、テンプレを使わないでファンタジーに殴り込みをかけることも良いですが、かなりの茨の道だと思います。(カクヨムコン9のわたしの作品が、テンプレを使用しない異世界ファンタジー作品です。読んでくださいね。)
一方で、☆やフォローを集めやすいジャンルはどれかと考えると、ファンタジー系作品です。
2024年3月23日(土)の週間総合ランキングを100位まで確認したところ、86/100作品が、異世界ファンタジーもしくは現代ファンタジーでした。
もちろんファンタジー系作品は総数が多いため、割合で考えれば他の作品と逆転する可能性はありますが、2024年3月現在、週間総合ランキングの1ページ目はファンタジー作品で埋め尽くされていると考えて良いでしょう。
本エッセイはカクヨムコンを中心に語っておりますが、書籍化を目指している人は、カクヨムコンへの入選を狙うのか拾い上げを狙うのか、考えた上で戦略を練る必要があります。
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