この国の真実
「ハーデスやセレーネたちは皆元人間です。そして私もカロットも。」
みんな人間だった……でもなぜ神になれたんだろう?
「私とカロットは200年もの間この地を監視する役割がありました。ハーデスやセレーネたちには元々魔法が使えてあるお方が神になるならとハーデスとセレーネ、エリスたちは神になり、それぞれの魔法の源となりました。ハーデスは闇、セレーネなら光、エリスは治癒といったことです。この3つがチイ様たちが使っている魔法の源を分解したものとなっています。ちなみに私は魔法が使えませんでしたが、自分の体内で臓器などをいじることが得意で、カロットは化けることができて、カロットも元人間です。しかし私たちは神ではなく、監視役というこの世では事実上確認されない人間なのです。監視役の命は200年から300年です。」
「ねぇ、そのあるお方って誰なの?それになぜ分解したの?」
「全神、ゼウスです。」
「ゼウス……」
「ゼウスはこの世界の魔法使いは命を削って魔法を使っていることが分かって、ゼウスは生まれつき魔力が異常に多く、体内に蓄積していた魔法を発散するため、他の人が犠牲にならないようにわざと分解しました。」
ゼウス……全ての魔法の源の神……そして魔法の源を分解するおかげで私たちは命を削らずに、魔法が使える……。
「ゼウスは無邪気な少年でした。だけどゼウスは王族で親から愛をもらうことがなく、やがて家出をし、最初にセレーネとハーデスがゼウスを保護して育てました。私とカロット、エリスはゼウスに拾われました。」
「拾われたって……?」
「私たちは元孤児でした。セレーネもハーデスもそして私たち3人もなぜか生まれた頃に両親が亡くなっていて、協会に拾われましたから。」
生まれた頃に……そこも不思議だ。神たちの生い立ちまでは私も知らない。エリスはなぜそこから闇の魔法を悪用になってしまったのか?
「エリスは昔どんな子だったの?」
「エリスも愛を知らない女の子でした。エリスはゼウスに拾われやがてゼウスに恋をするようになりました。」
恋……それは一番自分をコントロールするのが難しい感情だ。
「ちなみに先程言っていたクロノスは私たちにとって味方です。エリスは私に口封じの魔法を使っていて言えずにすみませんでした。」
「ううん、だけどかつてこ友が敵になるなんて辛いだろうに……」
クォーツはゆっくりと顔を上げると
「いえ、エリスを倒すことは私たちの使命でもありますから。感情なんていりません。」
クォーツは苦虫を噛み潰したような顔をする。やっぱり相当辛かったのだろう……
「ここからは私の記憶をみてもらったほうがはやいかもしれません。」
次の瞬間クォーツは自らの腕を切り血を流す。それをカロットがあるグラスに入れると映像が浮かび出た。
「これは……!?」
そこには私の知らない神たちの顔が浮かび上がっていた。
転生したらぶりっこなヒロインがいたので、悪役の私が黙らせようと思います! 明智 依毬 @moonlight52
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