第1戦目勉強対決!?

「今日からここがチイ様の住むトルマリン宮です。」

王宮のメイド長に案内されたのはかなり歴史ある宮だったが、外には

「家庭菜園できそう……」

ここはかなり古びているが、日当たりはいいし、食物はしっかり育ちそうだし、勉強できる部屋は整備されていて私には持ってこいだった。

「私ここのメイド長を務めますクォーツと申します。」

私はクォーツにイブリースの魅了がかかっていないか匂いを嗅ぐとどうやら珍しくかかっていない。私にとっては安心した存在だ。それにクォーツはかなり歳もとっている。それなりにメイドの経験も豊富で助かる。そのほかにメイドが3人ほどいた。その3人は本の中でもかなり人気ランキング上位を争っていた妖精たちだ。私はものすごく嬉しすぎて3人に初対面なのに抱きついてしまった。

「長女で火の魔法を使います!ガーネットです!」

「次女で水の魔法を使います、サファイアです!」

「末っ子で風の魔法を使います!オパールです!」

3人は似すぎているが、唯一見分けられるのは髪の色のみ。こりゃあ色を変えられたら困るなぁ……。メアリは4人とすぐ打ち解けて私は安心した。アイオライトはきっとイブリースの魅了が効かず、イブリースを信じていない4人をこちらに仕えさせてくれたのだろう。それに3つ子は妖精だから魔法が効かないし、クォーツはイブリースを根っこから嫌いだし(会った瞬間に保護魔法と反射魔法解除をかけたよ!)4人に王宮を案内してもらっていて外を散歩しているとイブリースが育てていた花を踏み

「ご機嫌よ。こんな古びた宮いかが?」

イブリースは何人もののメイドや側近を連れていてこちらは4人のみ。

「とっても気に入ったわ。それに古びていても歴史を感じますし、豪華で外を見繕っても中身が良く、何年も使われているほうがよっぽどよいかと。」

と言い返した。イブリースはくそっと言いたいほどの顔をしているがすぐにニヤッとして

「3日後この王宮でテストがありますよ。随分余裕そうね?」

テスト……私の唯一の弱点だ。でも負けたくないので

「そうなんですか!イブリースさんは優秀ですから私はアイオライト様の恥にならぬよう勉強せねばならないですわ。」

とニッコリ笑いその場を去った。

「うわーん、メアリ〜!助けてー!」

「チイ様はテストが大の苦手ですからね。」

出される教科は王宮の歴史、政治、外交問題など国際的な問題が多い。それにこれは私にとって圧倒的に不利だ。この世界ものは本で読んでいてアイオライト様たちが治めている国のことしか分からない。ギリギリ王宮の歴史と政治は分かるが、外交問題はほとんど分からない。

「チイ様!それなら私たちにお任せを!」

クォーツたちの目がメラメラと見えたのは気のせいだと思いたかった。

クォーツには王宮の歴史を、ガーネットは政治、サファイアは外交問題、オパールは他国の言語を、そしてメアリは私のフォローに入ってくれた。だけどここでは机に向かって勉強ではなく……

「初代この国の王になったのは誰ですか?」

「えっと……」

「時間切れです。答えはダイヤ様です。」

「キツすぎる……」

「はい、腹筋10回〜」

歴史を教えるクォーツは間違える度に腹筋を課せられ

「この国では市民がある問題に対して困っていることがあります。3大要因をお答え下さい。」

「魔法の悪用問題、侯爵たちの裏金問題と……」

「はーい、時間切れです!最後は税金問題です!これから頑張るよ〜!」

「ガーネット〜!!もうイヤー!」

政治を教えるガーネットは間違える度に素早いパンチが来るので避けないといけないが、それが異次元に早い。

「隣国とこの国はいつから関係を持ちましたか?」

「300年前!」

「正解です!じゃあこれはなし……と。」

外交問題を教えるサファイアは間違えると私をプールで1分間を泳がせる。これが1番キツい。

「Could you tell me how to study language?」

「え、えっと……」

「はいダメでーす!チイ様頑張れ〜!」

他国の言語を教えるオパールは私を森の中に呼び、間違えると気が倒れてくるのでそれを魔法で切らずに避けないといけないのだが、倒れてくるのが異次元に早い。

「つ、疲れたぁ……」

「うふふ、お疲れ様です。」

チイがこうやって慰めてくれるから頑張れる。というか絶対あの4人私を妃じゃなくて、騎士に育てようとしてるでしょ!?だけど動きながらのおかげか頭によく入ってくる。そしてテスト当日

「チイ様の成長ぶりは本当にすごいです……!」

「これならいける!」

「チイ様!イブリースに言わせてやりましょ!」

「ぎゃふんとね!」

「チイ様らしくやっちゃってください!」

私は自信を持ってテストに挑む。ドアの前に立つとイブリースが隣に来て

「あら、これはこれはお馬鹿さん。あ、チイ様でしたね。せいぜい頑張ってくださいね!」

こんな奴に私は負けない。私はドアを開き指定された椅子に座った。

「それでははじめ!」

私はここに全力を尽くした。



2日後結果が出た。

「では結果が……」

「うそ……!」

「チイ様……」

「あのチイ様が……!?」

「これは……」

「私がテスト満点!?」

まさかのあのときのテストが満点だった。たしかに出たところは4人が教えてくれた問題だけだった。

「さすが王宮メイド学校の首席ですね」

「えー!?4人ともそうだったの!?」

「「「「うふふ」」」」

みんなで喜びあっていると部屋にアイオライトとスピネルが入ってきて

「チイ!よくやったね!」

アイオライトに抱き上げられた。なんか頑張ってよかったかも〜!

イブリースside

「ちっ……!私に恥かかせやがって……」

私は教師を全員処分し、身の回りのメイドも殺した。

「まぁテストより

殺してやる、チイもあのメイドたちも!この国は私のもの……

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