旅の途中で
「今日はここに泊まるけどいいかな?」
旅立った夜アイオライトは宿に案内してくれたが、この町自体かなり花街でもあるが、屋台がたくさんあって私は目を光らせた。
「アイオライト様。あの、お願いがあるのですが……」
「んー?なーに?」
アイオライトは私の顔を覗き込むと
「屋台に行きたくて……」
「ダメ」
即答された。私は必死に説得しようとしたらスピネルが口パクで
「あざとくお願いしろ」
と笑いながら言った。私は少しイラッとしたが、演技のスイッチ入れ
「この街でしか着れない衣装があって、アイオライト様のかっこいいところ見てみたいなぁって……」
私は顔から火が出るほど恥ずかしくて顔を隠す。するとアイオライトが私の手を取り
「しょーがないなぁ!」
そこからの動きは雷のようにはやかった。アイオライトは騎士たちに命令を下すと騎士たちは
「よっしゃぁぁぁ!!」
と雄叫びを挙げ、私は驚いた。メアリとスピネルは笑顔で私たちに手を振ると私はアイオライトに連れられ、行きたかった屋台に連れていってもらった。だけどアイオライトは私をあるお店に入れ
「この子に合う衣装をよろしく。」
私は店員に捕まりあれやこれやされ30分後この土地の衣装を身につけられた。私の世界でいうアラビアン衣装を着せられ、こっちの世界では少し露出が多いが、その代わりに可愛らしい花が散りばめられている。髪の毛にもお花を編んだ部分に差し込まれているのでとっても可愛くしてもらって満足だ。
「チイ?着替えた?」
「さぁいってらっしゃい!」
と店員さんに背中を押され思いっきりアイオライトの胸の中にダイブしてしまった。アイオライトは私を抱きとめ
「そんなに俺と会いたかったの?可愛いお姫だなぁ〜!」
と撫でられると私は蹴りを入れようと思ったが、いつもと違う衣装を身につけているアイオライトにドキドキしてしまいなにも抵抗ができなかった。店を後にし、屋台を2人で回る。
「アイオライト様!これ一緒に食べましょ!」
アイオライトは屋台が初めてなのは知っていたから色々と楽しめるように食べ物や遊びなど事前に把握済みだ。アイオライトは私の手を繋ぎ
「安全のためにね?」
とウインクをしてまた私をドキドキさせる。これだからイケメンは……!!私はアイオライトの口に勢いよく焼き鳥をぶち込む。
「ん!これ美味い……!」
「これもどうです?」
と次々に私たちは屋台を楽しんだ。屋台には射的があったり、レインボーわたあめもあって自分が暮らしていた世界と少し似ているなって思った。
「あ……」
「スピネルとメアリ仲良さそうだね。」
2人のこと気づいていたけど、ハートが痛いほど飛んでいるように見える。メアリにいい出会いがあってよかったって思う。
「魔法のマジックショーやってるよー!」
声が聞こえたほうを振り向くとそこにはたくさんの人がいて魔法を組み合わせて雪を降らせたり、こどもたちに無重力体験を味わせている。
「いいなぁ、ああやって人を楽しませる魔法を使えて……」
またアイオライトは悲しい顔をする。私はアイオライトの顔をつかみこちらを向かせて
「あなたの魔法は死を司るものですが、この魔法は人を脅威から守ったり、魂が彷徨っている人たちを無事に天国へ送るための重要な魔法です。これから私があなたの助けになりますから。」
そう言うとアイオライトは優しく微笑み
「チイといると心が楽だよ……」
すると空に花火が打ち上げられた。打ち上げられた花火がとても眩しく見え、アイオライトの笑顔が儚く見えた。
「今度こそあなたをあの2人から守ってみせますから。」
「俺も君を守るよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます