戦いの準備

「あ、あの……なぜ私なのでしょうか?」

するとアイオライトの近くにいた騎士たちが怖い目で見てくる。王族の命令ならすぐ受け入れないといけないのだが。

「君は唯一イブリースに対抗できる力もあるし、君は力を取り戻したくない?」

たしかに取り戻して、イブリースに悪く使われないようにしたいけど

「もし力を取り戻して、私がイブリース以外に魅了の魔法を使う可能性ありますよ?それなのにどうして……」

「君は命の恩人だし、それに君はそんな悪いことに魔法は使わないって昔から知ってる。だってこの土地も君の魔法の気配もするし、俺の騎士たちにも魔法かけてくれたでしょ?イブリースから守るために。」

まさかアイオライトがそこまで私を信用しているだなんて思いもしなかった。

「返事は3日後またここに来るから聞かせてくれるかな?」

「分かりました……」

アイオライトは私の手にそっと触れ手の甲にキスをして帰ってしまった。一体アイオライトはなにを考えているの……?

その日の夜私はセレーネと話し合った。

「セレーネ。前にこのヒロインの記憶をのぞきこんだだけなんけど、いまいちよく分かってないから説明してくれる?」

「分かりました。」

するとセレーネはある水晶玉を私に見せると

「得意なのは魔法解除なのは分かるわね?そして能力で誰から攻撃されても魔法が効かないこと。」

私は頷く。

「属性は地上にあるもの全部。」

ん!?そんな設定あったっけ!?って思ったらセレーネが

「私があとから付けたしたの!未来が変わるからね!あ、でもこれはまだ内緒よ?」

セレーネは教えちゃダメよと言わんばかりに口に人差し指を添える。

「例えば土、火、水、風とか?」

「そー!それに組み合わせればなんでもできるわよ〜!」

これはいいんだが、悪いんだが……というか私最強すぎない!?

「そしてイブリースは人の魔法を奪うことができる。」

セレーネのトーンが静かになった。

「奪うって……」

「人を殺して奪いとるか人が瀕死状態のときだけ。」

なるほど。一応私は強いけど魔法以外の攻撃をされると私は死ぬってことか。

「チイ、王宮に行けばあなたは命を狙われてなにもなくなるかもしれない。だけどあなたならきっと大丈夫だわ。」

セレーネはそう言うと私の腕に花輪を通した。

「可愛い……!」

「肌身離さずにつけてね。」

そう言うとセレーネは消えていなくなった。

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