魔法少女はn周目

あるかろいど有機

少女Aの独白

みんなのために「結城緋菜」は存在していた。世界のピンチを救う魔法少女として。

正直最初はすっごくテンション上がったし、自分の特別さに酔っていた。


でも、始めて直ぐに気づいたんだ。

「嗚呼、魔法少女は所詮世界の奴隷だったのね」って。


私たちが命をかけて戦っているのに、それを心無い言葉で叩く人たちがいる。

魔法少女はアイドルじゃないのに、さもそうであるかのように扱う人たちがいる。

_マァ、ひとくちにって言ってしまえば一緒かもしれないけど。


仲良くなった魔法少女の子が死んじゃうこともあった。

魔物との戦闘に限らず、病んで自殺した子だって沢山見てきた。


いつからだろうか。守るべきはずの人間が魔物よりも憎くなっていたのは。


だから、安心した。

私が魔物と戦って死にそうになったとき、恐怖より先に安堵がきた。

嗚呼やっと終われるんだって。


私は血塗れになった自らの体躯を抱きしめて、お疲れ様と声をかけた。


暗転。

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魔法少女はn周目 あるかろいど有機 @SSR_dayo

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