第2話

放送が終了し、暫くたったあと扉が開き廊下に明かりが灯り始めた。今回はかなり遠くの方まで移動する必要があり、今までよりも移動に時間がかかった。そうして移動すると船の甲板に出ることになり、敵陣があるのであろう砂浜や付近の丘からは多くの火の手が上がっている。敵も打ち返してきており、近くの艦が燃え上がるがすぐさま艦砲射撃が行われ、爆発した。更には、敵の対艦攻撃機等の攻撃も受けており対空攻撃により空はところどころ黒ずんでいた。彼らは砂浜に上陸するため、甲板の横に吊るされている手漕ぎ船を下ろしその中に飛び降りる。そのままオールを使い砂浜に進んでいくが、中には手漕ぎ船を使わず艦のまま砂浜へ進んでいき乗り上げているところもある。しかし、敵の抵抗が激しく砂浜に到達する前に砲撃で爆発し、機銃で撃ち抜かれたものもいる。そのまま進んでいき砂浜に乗り上げるとすぐに船から飛び降り、砲撃によりできたクレーターの中に飛び込んだ。運の悪いものは降り立った瞬間に撃ち抜かれてしまい、火の玉により勢いよく炎上し火だるまとなった。顔を上げれば風切り音や爆音が絶えず聞こえてくる。しばらく様子を見たあと近くを機銃が狙っていないことを確認するとクレーターから飛び出し、また別のクレーターに飛び込み少しずつ近づいていく。しかし、鉄条網が張り巡らされており、真っすぐに敵陣地に侵入することはできないようになっている。周りの者たちも徐々に鉄条網に近づき、遂に鉄条網に到達すると爆薬を鉄条網に仕掛け、爆破した。砂煙が晴れる前に隙間に入り込んでいったが、銃撃が集中し、多くのものがその場で倒れることとなった。後続のものは仲間の死体を盾にすることにより、銃撃を防ぎ進行した。一つの鉄条網を突破し、さらに奥へ侵入することができたが、その奥に存在した鉄条網に進行を塞がれることになり、再びクレーターなどを使い鉄条網に接近していった。時間が経つと最初の一箇所以外も爆破され侵入経路が増えていった。しかし、その時すでに日が暮れ始めておりそれ以上の進行は不可能と判断され砂浜に突っ込んだ艦へと撤退した。艦への撤退に成功したものはその総数の七割ほどであり、残りの三割は戦死したという判断が下された。

夜の間はサーチライトと魔法を使い敵が近づかないように警戒を行っていた。敵の夜襲を防ぐため多くの人員により監視が続けられ、少しでも動いたものには多数の銃撃や砲撃、魔法弾による攻撃が行われた。そしてこちらも敵に夜襲を行うため、少人数で部隊を組み敵地へと進行した。昼の間に爆破したことで1つ目の鉄条網を通過することができたが2つ目の鉄条網によりその歩みは食い止められることになった。その間にも敵から照らされるサーチライトの光をかいくぐり、潜んでいたが2つ目の鉄条網を突破するために、もう一度爆破する決断をした。同じ部隊の中からは反対の意見も挙げられたがその場で取ることのできる有効な手段が存在しなかった。敵の混乱を誘うため、複数箇所を同時に爆破するため他の小隊とも連携し、爆弾を仕掛けた。すべての場所に爆弾を仕掛け終えると近くの障害物の影に隠れ、同時に着火した。同時に爆破が発生し、敵からの砲撃が多数降り注いだがその場にとどまることにより、砲撃をしのいだが砲撃が終わると敵の部隊が多数警戒に出てき、交戦することになった。暗闇に紛れ、物陰から飛び出すとその手に持った大鎌を振るい敵兵の首を跳ね飛ばした。敵兵も手に持った武器を使い大鎌を防ぐが、手前に引き抜くことにより背後からその首を切り落とした。その他の兵も近接武器を使い首を切り裂き、大した抵抗をさせる暇もなく敵兵の処理に成功した。敵兵の処理に成功した彼らであったが鉄条網を爆破した影響で敵の警戒が強まっておりそれ以上の侵攻は行われなかった。しかし、敵からの侵攻は度々発生していたようで、幾度か銃声が鳴り響いた。

夜の間には損傷した艦の入れ替えが行われ、第二次上陸部隊を運ぶ船も同時に移動してきていた。その後、夜明けと同時に砲撃が行われ砂浜は再び砂煙に覆われた。砂浜には夜間に作られたであろうバリケードなどが設置されていたが、そのことごとくが砲撃により破壊された。砲撃が終了すると第一陣は軍艦から、第二陣は木造船により上陸を果たしていた。昨日と同様にクレーターや障害物を使い銃撃や砲撃をしのいでいた。より多くの人数で接近することになり敵の狙っていないタイミングが増え、接近が用意となっていたが追尾性能のついた魔法弾や、上空で爆発する砲撃など昨日行われなかった攻撃が多数行われ被害が増大した。そんな中でも少しずつ前進し、2つの鉄条網を通り抜け、敵塹壕に近づいたとき地面が爆発した。地雷が仕掛けられていたようで、先頭を走っていたものは避ける間もなく爆死した。彼らは地雷原に対し魔法弾を使い、誘爆させることで安全な道を確保した。そうして地雷原を突破し、漸く敵塹壕に到着した。初めの内は射殺していたが、装填された銃弾がなくなり、装填する余裕がなくなるとナイフやシャベル。銃剣を使い接近戦となり、敵味方はすぐに入り乱れ、混戦状態になり進撃の足はそこでストップした。目の前に現れた敵兵にナイフを刺し、銃剣をつきたて、目を貫き殴り倒す。後ろから接近されれば弾き飛ばし、受け流し、突き刺され、そこで斃れ伏した。その中で、特異なものが現れ始める。彼らはナイフや銃剣を刺されたとしてもそれを吸収し、目に見える傷は残らなかった。刺されたあと素早く抜き取られたとしても傷はふさがり、塞がらなかったとしても他のナイフを吸収したタイミングで徐々に塞がっていった。彼らの存在で戦況は攻撃側優勢となり、ついには塹壕の奥へと進むものも現れ始めた。塹壕に侵入することのできたものは、慎重に進んだ。近くの曲がり角から不意に現れた敵は銃剣を突き立て、遠くに見えた敵はライフルで撃ち殺した。そうして順調に進撃していくと、コンクリートの建物が見え始めた。その中に突撃すると海岸に向けて銃撃を行ってたので速やかに制圧した。同じような建築物がいくつか連なっていたので、その一つ一つを制圧していると建物全体で爆発が連続して発生した。出入り口に近かったものはすぐに外へ飛び出すことができたが、離れていたものは脱出することができず崩壊した建物に巻き込まれてしまった。しばらく爆発は続き、収まった頃に当たりを見渡すと瓦礫とかしており、その隙間からは血が流れ出ていた。砂埃が収まり、遠くまで見えるようになると、砲撃陣地を視認することができた。どうやら味方ごとこちらを砲撃したようで、弾を込めた砲から順次砲撃が続けられ、散発的に爆発している。他にも上空から戦闘機での攻撃も行われ、少しでも体をさらせばすぐに機銃による掃射が行われた。

そのまま大きく動けずにいると、日が暮れ始めあたりを見通しづらくなり始めた。敵から照明弾が打ち上げられすぐに明るくなったが、影となり見えにくいところからひっそりと進撃を続けた。それでも敵に発見され狙われるものも出たが、そのまま進み続けた。そして半数近くが犠牲となったとき遂に砲撃陣地に侵入することに成功した。砲の近くにいる敵から優先的に撃ち殺し、砲を爆破して回った。爆炎により戦闘機からは狙われなくなり、比較的安全に行動することができた。そうして両手では足りないほどの爆発が発生し、あたりが火の海になった頃砲撃陣地の制圧に成功した。しかし、敵から爆撃を受ける可能性を考え、速やかに物陰に身を潜めた。

その後、予想通りに的による爆撃が行われ、カラフルな炎があたりを焼き尽くした。

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