第5話 冒険者ギルド
リアが言った通り、5分ぴったりにギルドについた。
扉を開けると、睨みを利かせる男たちがうじゃうじゃといた。
いや、怖いな。
「すみません、ギルド登録したいのですが…」
「冒険者希望の方ですね!お待ちください」
しばらくして、紙と水晶玉をもってきた。
水晶は魔力の属性確認用か。
「こんにちは、私はリーナって言います。どうぞよろしく。まずこの紙に、希望する職業と名前を記入してください」
職業は、魔術師で良いのかな?
苗字があるのは貴族だけってよく言うよな。ならカイでいいかな。
「カイさんは魔術師希望ですね、そしたらこの水晶に手をかざしてください」
机の上に出された水晶に手をかざすと、赤色と緑色の光が水晶に映った。
「属性が2つですか!火と風はとても良い相性です、よかったですね」
水晶にもスキル隠蔽が適用されているんだな。よかった。
ただ、属性が2つでもここじゃすごいほうだったのか。
「それでは、この紙に属性を記入いたしましたので、スキルもご記入してください」
スキルは、身体強化・アイテムボックスでいいかな。
「これでお願いします」
「はい、ご記入ありがとうございます。身体強化・アイテムボックス……アイテムボックス⁉カイさんアイテムボックススキル持ちなんですか⁉」
リーナさんは驚いたように何度も俺を見る。
リーナさんの声が大きかったせいで、ギルド内にいた人まで俺がアイテムボックス持ちだと言うことに気付いてしまった。
「アイテムボックスだって?珍しいスキルじゃないか!」
「アイテムボックスの収納ってめっちゃ便利なんだろ?羨ましいな」
ギルド内がざわつく。
やばい、リアに基本スキルについて聞いておけばよかった。
アイテムボックスって珍しいスキルだったのか。
「いや、俺の収納は小さいので。そんなに物は入りませんよ」
俺はできるだけ大きな声で言った。
ここで目立つのは避けたい。バレてしまったからには、小さい収納だとアピールしておこう。
「スキルの記入も終わったので、冒険者のルールをご説明しますね。冒険者はスタートがFランク最高ランクはSランクとなります。クエストはランク指定があるので、自分のランクの1つ上まで受けることができます。1つ上のランクのクエストが成功したら、ランクを上げることができます。クエスト失敗した場合は、銅貨10枚支払うことになってしまいます。ご注意ください」
「なるほど。わかりました。1つ質問なんですけどクエスト受けていないときに、自分のランクより高ランクの魔物を討伐したときはどうなるんですか?」
「その時は、ランクが2つ、3つほど上がります。その魔物の買い取りも可能ですし、その魔物の討伐依頼があればクエスト成功となり成功料金も得ることができますよ」
じゃあ依頼受けないで、高ランクの魔物を討伐できればランクが効率よく上がるな。時間がない俺にはぴったりかもしれない。ただ、高ランクの魔物を倒してギルドに持っていけば、騒ぎにならないはずがないよな。
ギルドに持っていくかはまた後で考えよう。
「説明ありがとうございます」
「私たちの仕事ですので!それと、冒険者になるというなら敬語はやめといたほうがいいですよ。もっと堂々としていてください」
「そうなのか。これでいいか?」
「はい!それではカードも発行できたのでお渡ししますね」
冒険者登録も済んだことだし、古代魔物が出現した山に向かってみるか。
あ、その前に人がいなさそうな場所でも探して、魔法を試してみよう。
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