第2話 繰り返す勇者召喚

勇者召喚に巻き込まれる数日前に元の世界に戻り、またあの日になると、俺たちは召喚された。


1回目の通り、勇者は桐ケ谷。聖女は如月さんだった。

そして1回目と変わらないのはそれだけじゃなかった。クラスメイトの喋る言葉全てが何一つ変わっていなかった。あくまで俺が覚えていたものだけだが、聞き覚えがあったから恐らく全て同じだろう。


そしてまた3回目、4回目…と繰り返していくうちにある考えが俺の中で生まれた。


――勇者召喚から魔王討伐までの流れが全てループしている。


まるで動画のように繰り返し再生されている。1回召喚されてしまえば、俺自身も1回目と違う行動や発言ができない。


だから勇者召喚の前から変えてみた。数日前から風邪と噓をつき家にいたのだ。

そして確認のため、今日この時間に教室に入った。

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