第21話 平成元年
かしこまりました、総理。では、総理。年明けに発表を行います。発表者は誰にいたしましょう。総理が行いますか。
「いや、私に発表などできない。私は知りすぎているのだ。知りすぎている私には、申し訳ないが発表はできない。私の代わりの者をよろしく頼む」
かしこまりました、総理。心中お察しいたします。では、彼にお任せするよう手配いたします。
総理、あとは私にお任せください。用意周到に根回しさせていただきます。
「君も心苦しいだろうに」
総理、ありがたきお言葉です。私は裏方に回ります。
「君が裏方に回るのか」
はい、総理。私は裏に回ります。私だけが事実を知る者になります。新しい秘書は私が選んで参りますので、発表後はその者が秘書でございます。総理、構いませんか。
「君はよく気のつく秘書であるのに裏を作ることになるとは」
はい、総理。私にも、まだ天皇家の裏側が分かりません。しかし、なんらかの形で動きがると思われます。歴史の変わり目になんらかの動きがあると思います。鍵を握っているのは天皇家です。
本来、政は天皇家の仕事でございます。そして、その背後にいるのが総理もよくご存じかと。
「八咫烏か。天皇家には謎が多いな。八咫烏は名前だけしか知らない。本当に存在するのか。そこまで私は分からない」
はい、総理。八咫烏でございます。
今までの歴史の裏には八咫烏が陰で政治を支えていたかと思われます。しかし、今の私の力では分からないことが多すぎます。私にはもっと情報を集める必要があります。
総理、私は秘書の裏方を務めさせていただきたく思います。
「そうか。君にそこまで頼むことになるとは。しかし、君に頼むしかない。よろしくお願いする。
自分の身の安全を一番に考えてくれ。まさかこんな世界に足を踏み入れるなど誰も想像すらしていなかっただろう。
もうなにもかも了承した。こんな事態になるとは。裏でこんな事態が起こっているなど。裏でこんな事態を起こしているなど誰も想像できないだろう。ますます闇が深まるな」
総理、さようでございます。心苦しいことに、ますます闇が深まります。そして、私たちはその当事者です。私たちが闇を深めてしまうことになります。
しかし、それが最善であることをAの皆様にご理解いただけるといいのですが。
「そうだな。Aにこの事実が知れ渡ったとき心穏やかであっていただきたい。私たちの過ちは、私たちの選択は、あの日あの時のこの選択をしたことは誤っていたことだが正しかった。誤っていたが正しかったと知っていただきたい。
そもそもの間違いは輸血だ。輸血だったのだ。
とにかくAを目覚めさせねば。輸血性ショックを見逃すほどなのだ。本来ならあってはならないことなのだ。それを陛下に行うとは。A全土がこんなことでは本来あってはならないことなのだ」
おっしゃる通りでございます、総理。AはZ思考に染まってしまい、Aが周りに合わせるという習性をマスコミによってうまく利用せれている状態です。裏ではZが潜んでいるなど誰も思い及びもしないAでございます。情報が操作されているなど思ってもみない事かと存じます。
「そうだな。Aを目覚めさせねばならない。とにかくAを目覚めさせる方法をこれから考えていかねばならない
でないと、これからのAが沈没してしまう」
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