第3話 プロローグ
奴隷のようであるにも関わらず、そのことに気づくことすらないのです。自分たちが操られているなど、一般の者たちは思い及びもしない。まさかのマジックでございます。
それが、世界の事実です。
私は知ってしまいました。その事実を。もはや後戻りはできません。総理にどうお伝えすればよいのやら。
まだまだこんなものではございません。事実は小説より奇なりです。
いえ、それ以上に闇でございます。物凄い闇がこの世界にはあるのです。この世界は闇の世界と言っても過言ではございません。これらの事実をどうお伝えすればよいのか、私にも分からなくなりました。
こんなことを、まだ総理になっていない時点の貴方様にお伝えしてしまうことは心苦しいのですが、私一人の胸にしまっておけないほどの事実がございます。
事実をありのままに伝えることが果たして正しいことなのか。総理に全てをお伝えすることが果たして正しいことなのか。私には戸惑いを隠せません。
お伝えすべきか、お伝えなさらないほうがよいのか。事実が事実なだけに常識だと思っていたことが根本から覆されるかもしれません。
いえ、覆されます。覆されてしまいます。
私には荷が重すぎるほどの事実があるのでございます。
知らなければ知らないままで済んでしまうことが、知ってしまったがために危うい世界に足を踏み入れることになってしまうのではないか。
そんな事態が起きてもいいのでしょうか。まだ総理ではない貴方様が危うい立場になってしまわれます。私はそう思うのですが。
総理、お伝えするにあたっても、事実が辛すぎます。もう手の震えが止まらないほどの事実であります。
私はいかがいたせばよろしいのでしょうか。
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