第15話 極東ミネネが来たぞ!③
配信開始から20時間。
遂に私が初期段階で蒔いていた種が芽吹いてくれた。
視聴者が投稿した極東ミネネの切り抜き動画の 1つがSNSで大バズりしたらしい。
SNSのトレンド上では見事に『極東ミネネ』の文字が確認できる。
「よーしよしっ! 開始から20時間にして遂にトレンド入りだぁ! 皆マジでありがとう!」
コメント欄:
『おめでとう!』
『おめっ!』
『これだけ騒ぎ倒してれば話題にもなる笑』
『極東は間違いなく大物』
『おめでとうございます姉御!』
『もう終わりでもよくない?』
………………………………
「『終わりでも良くない?』じゃねぇよ! 配信は何が何でも 100時間強行するぞ、今更何言ってんだ⁉ しっかり付いて来い!」
正直私だってもう配信切って寝てぇよ!
でもまだまだ全然時間余ってるんだよ!
っていうか、目標値が遠すぎる!
今のチャンネル登録者数は3000人。目標の30分の 1以下だ。
たった一日足らずで3000人の登録者を獲得したと考えれば、たぶん一般的には上々な成果なのだろう。
でも、私には全く意味のない数字だ。
10万人か、それ以下か。そこには隔絶された差がある。
だから、まだ終われない!
コメント欄:
『あっ、はい……』
『お前が何言ってんだ』
『流石に不眠は無理っす姐さん』
『イカれてる笑』
『現時点で既に頭おかしい配信時間』
『草』
………………………………
ちなみに、ここまでの配信内容は多岐にわたったが、一番視聴者数が跳ねたのは短めのホラーゲーム配信。
幽霊から襲われる度にキレ散らかして大騒ぎしていたら好評だった。
2時間でクリアできたけど、体力的にはその倍以上の時間配信するよりも断然疲れちまった。
もうやらん。
「それにしても、開始当初は1000人だった視聴者も気づけば 4倍だな……。そろそろ改めて自己紹介した方が良かったりするか? たぶん昨日の配信を見てない連中が大半だよな?」
現在の視聴者数は4000人まで膨れ上がった。
SNS上でバズった効果が大きいだろう。
この数字を更に育てれば、登録者10万人も射程圏内のはずだ。
口で言うほど簡単ではないが、なんとかモノにして見せる。
コメント欄:
『切り抜きで見たからいいかな』
『自己紹介より質問コーナーをまたやって欲しい!』
『麻雀はもうやらんの?』
『自己紹介、生で聴きたいな』
『 1日で視聴者数 4倍にしたって凄い!』
『自己紹介して欲しい!』
………………………………
各々好き勝手言うから、話が滅茶苦茶だ。
人数が増えるとこういうことになるのか……。
慣れていないのもあってコメントを拾い上げるだけでも一苦労する。
「おいおい、すげー勢いでコメントが流れるから読み切れねぇな。投票機能を使ってみるか」
・自己紹介をやり直す
・さっさと次の企画にすすむ
表示された二択を視聴者側に選んでもらって、人数の多い方を採用する。
結果は自己紹介のやり直し。
「よーし、そんじゃあ、次の企画を見たかった連中には悪いけど一旦自己紹介のターンに入るぞ」
それにしても、投票機能……。
――なんか、遊べそうじゃね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます