第3話 警察沙汰

恥ずかしい。

こんなことで警察のお世話になってしまうなんて。

この話で私の黒歴史は締めくくろう。


同じ職場で出会った年上男性と、気づけば同棲していた。

仕事帰り、お惣菜いっぱいもらったから一緒に食べよう、と大量のからあげにつられ部屋にあげると、そのまま居付いてしまった。

こういうことするから変な男がホイホイ集まってくるんだよ、と友人に諭されたことがある。

当時は来るものは拒まずの姿勢だったが、相手を見極めなくてはいけないということは度重なる事例で身にしみて感じた。

経験にまさる学習はない。


ひとり暮らし用のワンルームにふたりで暮らすとろくなことがないのは、身にしみてわかった。

距離的が近すぎるし、プライベート空間がないと息が詰まる。


ある冬の日。

おたがい競馬好きで、その日は競馬場へ遊びに行く予定だった。

しかし私が風邪で微熱を出し、念のため自宅で過ごすことに。


楽しみを奪われたこの男は、少々ごきげんななめだった。

最近ニュースではギャンブル依存症のあの人の話題がもちきりですが、のめりこむとほんと怖いですよね、、、

酒を飲みながらテレビで競馬観戦していたのだが、運悪くその日は負け続け(イライラするから余計当たらないと思うのですが)

間近で怒鳴り散らすので体調悪い私もイライラが伝染し、大喧嘩に発展。


普段口は悪くても手は出さない人だけど、取っ組み合いの喧嘩になった。

それを私も感情的になり、

「首絞めた!人殺し!警察呼ぶから!」

と泣きながら叫ぶと、相手も

「呼べるもんなら呼んでみろっ」

と売り言葉買い言葉で。


ほんとにしちゃったのよ110番。


で、しばらくすると警察の人が来て

事情聴取のため別々に連行される。


無機質な白い部屋の中で泣きながら被害を訴える私(若干大袈裟に訴え、女優になりきり自分に酔っていた)

末っ子の特徴として、腕力では兄弟喧嘩に勝てないので幼少期からどうすれば年長者の関心、同情を惹けるか自然と身についており、とことん相手を悪者に仕立てた。女って怖いわね、ウフフ…。

DV担当の女性警官の人が優しく聞いてくれ、その後彼氏の方を担当していた警察官の人とも話し。


私は別れたい意向を伝え、身の安全のためにその日は親戚の家に泊まることにすると、近くまで送ってもらった。


まさかのパトカー護送。


急なことで自室の鍵は私しか持って出なかったので、相手は仕方なく自宅に戻るハメに。

そして私の部屋に戻るとストーカーとして取り締まり対象になるから、とキツく言われたそうだ。


ひと晩たって酔いも覚め、相手もやっと事の重大さを自覚し、本当に私がいなくなったら、ということを想像してものすごく反省したようで、泣きながら電話してきた。

大体こういうタイプの人って根は小心者なのでしょうね。


痴話喧嘩で警察沙汰。

こんなことで警察のお世話になり、恥ずかしい消し去りたい黒歴史です。

しかも結局その人と結婚したのだから、人生はわからないもの。

今でも時々この人の癇癪には手を焼いていますが、夫婦となった今お金は意のまま。

腹立つことがあるとこっそり口座から一万円づつ抜いて許しているという…

黒歴史は私の腹黒史と相成りました。


こんなしょーもない恋愛偏歴黒歴史秘話をお読みくださり、

ありがとうございました。


チャンチャン−閉幕−

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