人殺しとか単位とか
「そんでさ、そろそろ単位ヤバいわけで、聞いてる?」
「聞いてないですね」
「聞けって」
先輩は既に1留している。
「マジでさ、人殺しばっかしてる場合じゃねぇでしょ」
「だって……楽しいですし……」
今から講義なのに先輩が女児を連れ去ってきたので説教している所だ。
「学校行ってから殺せばいいじゃん、なんで学校行かないの」
「家でだらだらしながら人殺しだけしてたいぃ……」
そう言って、先輩は泣き崩れた。
「ダメ人間になっちゃうよ、つーか1留して反省してない時点でもうさ」
「なんでダメなんですかぁ……というかもう退学したいぃ……」
「1留した上に退学とか親に顔向けできないでしょ」
「人殺しの時点でもうできないでしょうが」
「バレなきゃ犯罪じゃないから」
「ほら、この子は俺が見ておくから学校行っておいでよ、3限からでもいいから」
「うぅ……ぅえ……」
どうやら本気で行きたくないらしい。
「分かった、この子は縛っておいて俺と一緒に行こう」
「後輩と一緒なら……行き……」
「行き?」
「行きます……」
こうして俺等は学校へ行き、それぞれ講義を受けて、帰宅した。
攫ってきた女の子は、もはや全てを諦めている顔をして倒れていた。
「ほらぁ……早く殺さなかったからぁ……」
「今からでも多分楽しいって、ねぇ」
「新鮮な反応を見たかったんです……」
「そんなこと言ったってさぁ」
とりあえず包丁を取り出してみると、女の子はやっぱり怖くなってきたのか震えながら泣き出した。
「ほら、案外いけるって」
「……」
先輩は俺から包丁を奪い取って女の子の足の付根に刺す。
悲痛そうな叫び声を上げて女の子はじたばたしだした。
そのまま、後は先輩が楽しんで、夜が過ぎていった。
「だからさぁ」
先輩は昼に起きた。
「人殺しするのはいいけど時間考えてよ」
また今日も講義をサボる気だったらしい。
「だってぇ……楽しかったからぁ……」
「今日も暑いし死体も腐るよ」
「ふぇぇ……」
また、死体処理で丸一日潰れて、先輩の単位習得は遠のくのだった。
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