まずい空気と好きな物
波留は幸を、ジト目でみている。
満足な表情でミクセアとコリュカとミフェナとカリスナは、ボーっとしていた。
そんな中で幸は、何がなんだか分からず困惑している。
「服、着ないのか?」
「波留、勿論着る。てか、なんだよその顔は?」
「どういう状況か知らんが……こんな所で女に上半身とはいえ、裸をみせてるってどういう状況なんだよ!」
そう言われ幸は首を傾げた。そして服を着始める。
それをみて女性陣は、ガッカリした。
「俺は、ただ試着を勧められて着ようと思ってただけだ」
「ほう……それなら、試着する部屋でできるよな?」
「待ってください。申し訳ありません……私が、ここでも大丈夫って言ったから」
そう言いカリスナは、悲しげに俯く。
「なるほど……まあいいや」
そう言い波留は、プイっとそっぽを向いた。
「あ、そうそう……カリスナお久しぶりね」
「ミクセア、お久しぶりです。まさか、また会えるなんて思いもよりませんでした」
そう言い二人は、目を潤ませている。
「良かったな。どうする、ミクセア? 二人で話したいこともあるだろうし」
「コウ、そうね……だけどカリスナは仕事がありますよね?」
「そうですね……午後であれば、ゆっくりと話すことができます」
それを聞きミクセアは、ニコリと笑みを浮かべた。
「では午後、お茶でもしましょう」
「分かりました。今日は、とてもいい日ですわ」
そう言いカリスナは、ウットリしながら幸をみる。
それをみた女性たち四人は、ジトーっと幸をみた。
「それじゃ、俺は他もみたいから……ミフェナ行こうか」
幸は何か嫌な空気を感じて、ここに居たくなくなりそういう。
「そうなのですか……残念です。またあとで来てくださいね」
「カリスナさん、そうさせて頂きます」
そう言い幸は、軽く頭を下げる。
その後、幸とミフェナは店をでた。
そしてミクセアは、カリスナと少し話をしたあと波留とコリュカと店をでる。
◆◇◆◇◆◇
その頃、星奈とライゼルは魔道具の店をみていた。
「凄い!? みたことのない物ばかりだ」
「ライゼル、喜んでくれたならよかった。でも、こういった物に関してはミフェナの方が詳しいんだよな」
「そうか……でも僕はこれでも魔導師だから、多少なら魔道具の知識がある」
そう言いライゼルは、眼前の魔道具を手に取ってみる。
「そっか……ボクは、どちらかといえば魔道具よりも服をみたい」
「じゃあ、次は服をみに行こう」
「ん? いいのか」
そう聞かれライゼルは頷いた。
「いいけど……もう少しみてからね」
そう言いながらライゼルは、欲しい魔道具を何個か持ち店のカウンターへ持っていく。
それをみて星奈は、ニコニコと微笑んでいる。
その後、二人は買い物をすませると店を出たのだった。
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