ミクセアの幼馴染と幸の筋肉
ここは武器や装備、アクセサリーなどを売る店。
ここには幸とミフェナがいる。
「ここの店は、大きいし品数が多い」
そう言いながら幸は、ナイフやダガー系の武器が置いてある棚をみていた。
「コウ、本当に多いな。ザルべドルの町には、これほど多くの品数がなかった」
ミフェナはそう言い幸をみる。
するとそれを聞いていた女性の店員は、幸とミフェナに声をかけた。
「あのー、まさかザルべドルの町から来たのですか?」
「ええ、森が抜けられるようになったので」
そう幸が言うと女性の店員は、目を丸くする。
「……あの森には、確か巨大な怪物がいたはずですよね?」
「はい、そうですが。私の仲間が退治しました」
「ハア……仲間とは?」
そう言い女性の店員は、幸を指差した。
「いや、俺じゃない。だが、この町には来ているけどな」
「そうなのですね。じゃあ、これでミクセアと会える」
女性の店員はそう言い涙ぐんでいる。
「あーえっと……もしかしてミクセアって、町長の……」
「はい、そうです。昔は良く遊びました」
「なるほど……それなら、すぐ会えるぞ」
そうミフェナに言われ女性の店員は、不思議に思い首を傾げた。
「どういう事でしょうか?」
「一緒にこの町に来ているからだ」
そう幸が言うと女性の店員は驚く。
「ミクセアが、この町に来ているのね……会いたいわ」
「そういえば、ミクセアはこの町に来たことがないようだったが」
そう言い幸は首を傾げる。
「ええ……私は昔、ザルべドルの町に居たので」
「それでか……じゃあ、ここにミクセアを呼ぶから待ってて」
そう言いミフェナは指輪を使いミクセアに連絡した。
その間、幸は女性の店員と話をする。
因みにこの女性の店員はカリスナ・ハナルツ、二十歳。
白に近い銀色のミディアムヘアで、優しい顔だちである。
六年前まではザルべドルの町に居たのだが、親の都合でバルベアの町へ越して来たのだ。
そのためミクセアとは、それ以来会っていないのである。
幸はカリスナと話しながら武器や防具などをみていた。
「コウさん、先程から背中のバトルアックスが気になっています。みた感じ、体格に合っていないようにみえますが」
「そうか? でもこのぐらいの方が、俺には丁度いい」
「は、あ……そうなのですね。もし良ければ、構えてもらえますか?」
そう言われ幸は、背負っているバトルアックスを持って構える。
それをみてカリスナは首を傾げた。
「軽々持っているようにみえますが、重くないのですか?」
「んー……重いが、俺にとっては丁度いい」
「腕を触ってもよろしいでしょうか?」
そう聞かれ幸は、一瞬だけ躊躇ったが承諾する。
「腕を捲った方がいいか?」
そう幸が問うとカリスナは、コクッと頷いた。
それを確認すると幸は両腕を捲ろうとする。
「んー……捲りづらい。上着を脱いだ方が早いな」
そう言い幸は上着を脱いだ。……勿論、タンクトップのような下着は身に付けとります。
「これは……脱ぐと、凄いんですね」
カリスナは目を輝かせながら幸の右腕を触りだした。
「コウの生腕だ」
そう言いミフェナまでもが幸の左腕を、プニプニと触る。
「あーえっと……もういいか?」
この状況に対し幸は、困惑していた。
「あー申し訳ありません。確かに、この筋肉の質なら……重いバトルアックスも持てるかもしれませんね」
「そうなんだな……それは良かった。だけど、持ててもバトルアックスを真面に使えない。誰か、教えてくれる人が居ればいいんだけど」
「そうなのですね。私は、そこまで分かりませんので……お力になれず申し訳ありません」
そう言いカリスナは頭を下げる。
「それは、構わない。それで、なんで俺の腕を触った?」
「重いバトルアックスを持っていたので気になったのです。ですが、予想以上にいい筋肉でしたので……これならこのバトルアックスを持てると安心しました」
カリスナはそう言いながらも、なぜかニヤニヤしていた。
そして幸の後ろでは、ミフェナがまた触りたそうにみている。
「まあいいか。それはそうと、ミフェナ……ミクセアとは連絡ついたのか?」
「うん、今くるって言ってた」
「そうか、じゃあもう少し待ってるか」
そう言い幸は、上着を身に付けようとした。
「待ってください! 装備とか試着してみませんか?」
「それもいいか……でも、服を着てもいいんじゃ?」
「そ、それだと……。いえ、そのままの方が脱ぐ手間が省けるかと思いますよ」
そう言われ幸は、分かったと納得する。
それをみてカリスナとミフェナは、ヨシッとなぜか喜んでいた。
その後、幸はカリスナとミフェナにより着せ替え人形のようになる。
そしてミクセア達の組がくるまで、この状態が続くのだった。
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