確認と話し合い

 ここはミルモフの宿屋の外だ。そしてここには、幸たち七人がいる。


 あれから幸たちは、あみだくじをやった。

 その結果、星奈とライゼル、コリュカと波留とミクセア、ミフェナと幸、この三組に分けられる。

 その後、各自部屋に戻り荷物を持ってくると宿の外に出た。


 そして現在、幸たちは色々と確認のため話をしている。


「みんな来たな。とりあえず町を探索しながら、バルデアの森の怪物が退治されたと噂を流す」

「コウ。それと……もしかしたら、異世界の者が居るかもしれないから気をつける……だったわよね?」


 そうミクセアに聞かれ幸は頷いた。


「何かあったら、ミフェナからもらった魔道具……通信の指輪で連絡してくれ」


 幸がそう言うと六人は、自分がはめている指輪をみる。


「これは、ここに居る七人だけに繋がるように魔法をかけてあるからな」

「ミフェナ、分かりましたわ」


 そうこう話をしたあと各組は、別の方向へと歩き出した。


 ◆◇◆◇◆◇


 ここは廃墟倉庫の地下。

 あれから達基は、今ここに居る仲間の四人に声をかけ自分の前にこさせる。


 そして現在、達基は仲間と話をしていた。


「ハァー……こんなことをやってる場合じゃねぇ……そう思わないか?」

「ああ、タツキ……またいつ暗黒使者が現れるか分からん。それだけじゃない、暗黒王が復活でもすれば……いままでの犠牲じゃすまんだろうな」


 そう言い銀色の髪のドワーフの男性は、達基を見据える。


 このドワーフの男性はドガマヌべ・ドドル、年齢不詳。現在、達基が最も信頼している者の一人だ。


 そう言われ達基は、つらそうな表情を浮かべる。


「……あの人なら、これをどう解決するんだろうな」

「タツキ、偶に口にする……あの人って誰なの?」


 淡い赤紫色のツインテールの女性はそう言い、顎に手をあて首を傾げた。


 この女性はリナキャル・ガルセアデ、十七歳。このレッドスピアキングの中では、一番若い。


 そう聞かれ達基は、なんて答えたらいいかと考える。


「どう答えたらいい。まあ……あの人はこの世界に居ない、言っても恐らく分からないだろうな」

「なるほど……じゃあ、無理か。会いたいと思ったが……どんな人物か知りたかった」


 そう言い紺色で短髪の男性は、もの凄くガッカリしていた。


 この男性はレクリス・モテルギルウス、二十一歳。このチームの中では、最も頭が良い。しかし残念ながら、どことなくナルシストなところがよろしくない。


 それを聞き達基は、机上の一点をみつめる。


「ああ……合わせることができるなら、もの凄く紹介したい」

「ふ~ん……アタシは、いいかなぁ。それよりさ、どうする気なの?」


 パーマがかった銀色の長い髪の女性は、真剣な表情で達基を見据えた。


 この女性はマルネ・シーナモル、年齢不詳。このチームの中では、かなり強い者の一人である。

 この姿は、人間に化けているのだ。そう実は、銀竜人族なのである。


 そう言われ達基は、目を閉じて考えたあと瞼を開き話し出した。


「そうだな……とりあえず、ウチのメンバー以外にも強いヤツを補強するか」

「じゃあ、町で大会を開くってどうだい?」

「レクリス……それ面白そうね」


 マルネがそう言うと達基は、考えたあと頷く。


「そうするか。そうなると、町長のハベルさんに許可をもらわないとな」

「でも、誰が交渉してくるの?」

「リナキャル……勿論、俺がいく」


 そう言い達基は、四人を順にみる。

 それを聞き四人は、分かったと頷く。

 そしてその後、達基は町長の家に向かったのだった。

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