2-4 隅田川の回廊 エリア⑧〜⑨

エリア⑧

時刻 12:10

start                gole

①-②-③-④-⑤-⑥-⑦-⑧-⑨-⑩

              ↑現在地


ウルフのボスを倒したと意気揚々と歩く一行。しかし、回廊にいる魔の手は彼らだけではなかった……道行く一向の目の前にウネウネとした悍ましい生物が現れた!


ライト:丁度いい、ウルフだけじゃ物足りんと考えていたところだ。

GM:もうやだこの戦闘狂。


戦闘準備

ニシ→ヒガシに《かばうⅠ》使用。


魔物知識判定

ニシ、ヒガシ、キタ、ライトは魔物を見てポカンとしている。

ミナミはダンシングソーンを知っていた。

レフトは弱点を見抜いた!


ヒガシ:「うねうねしてるね」

ニシ:「新顔だな」

ライト:「殴りづらそうだな」

キタ:「……学者なおふたりさん。あのウネウネ知ってる?」

ミナミ:「あれはダンシングソーン。草の鞭を使った打撃が脅威の恐るべき難敵です」

レフト:「安心してください。奴は炎に弱いので、私の見せ所です!」


敵はダンシングソーンAとBだった!


先制判定

ダンシングソーンに先手を取られた!


ライト:「凌ぐしかないか……」

ニシ:「全員俺に隠れろ! 受けきる!」


1ラウンド

GM:Aでヒガシを攻撃。かば?

ニシ:う。

GM:それでこそ。(コロコロ)11ダメージ。防護引いても5じゃ!

ヒガシ:「兄さん、アイツら強いよ」

ニシ:「……なに、カス当たりだ」


GM:じゃあ次、ライトにBが攻撃。目標値は12とお高めやで。

ライト:さてさて(コロコロ)あ、攻撃受ける。

GM:りょうかい。(コロコロ)うわ、12のダメージや。防護ないからモロに行くぞ。

ライト:問題ない。「ぐぅ……まだまだ!」


ニシ達のターン

ミナミ:ライトの残り体力が5しかない。活性弾に詰めかえる時間がないが……【ヒーリング・バレット】でライトを回復する。(ころころ)よし、7の回復だ。「ライトさん、無茶はいけません!」

ライト:「撃たれて回復とは妙な心地だ。ありがとう」


レフト:「回復したいけど、敵が邪魔だな……」

ライト:「いいや。奴は炎が苦手なんだろ? 弱点をつけるのはお前だけ、俺に構ってないで攻撃するんだ。」

レフト:「な、なにを……いえ、貴方は初めてお会いした時からそうでしたね」との事で。【ファイアボルト】でAを攻撃します。(コロコロ)クリティカルと弱点合わせて17ダメージ! 結構削れた!

ヒガシ:各個撃破狙うよ。Aにレイピアで攻撃!(コロコロ)成功!「よし、なんとか削り切った……」

GM:畳み掛けるような攻撃によって、ダンシングソーンAはコゲコゲのチリチリになった!


ライト:俺も働かなくては。お返しだ、Bに拳で攻撃する(コロコロ)くそ一回しか当たらん。8のダメージだ。

ニシ:「そんなフラフラなのに無理すんなって。取り敢えず庇うから……」

ライト:「心配は無用だ。ミナミに回復してもらったし、お前は引き続き弟を庇ってやれ」

ニシ:うぅ……嫌がる奴は庇えないんだよな。しゃーないからヒガシに《かばうⅠ》使いつつBに攻撃!(コロコロ)やば外した!

キタ:フォローする。太矢で攻撃!(コロコロ)8のダメージ!「やっぱ削りきれんか」


2ラウンド

GM:ならBでライトを攻撃してやろう。

ライト:望むところだ(コロコロ)よし攻撃を受けてやる。

GM:なんで嬉しそうやねん。(コロコロ)うわあっぶな11ダメ。

ライト:「くっ……ようやくあったまってきたぜ」

GM:いや体力残り1ですけど!?


ニシ達のターン

ライト:とっとと蹴散らす。(コロコロ)クリティカルありきだが20ダメージ。「これで終わりだ!」

GM:ライトの拳がダンシングソーンの体を穿つ! 勝利した!


戦利品として120Gを手に入れた!


ライト:「ふう……終わったな」

ニシ:「いや終わったなじゃなくて!」

レフト:「傷を見せてください。救命草で治療します!」


レフトは救命草を2つ使った。ライトの体力が11回復した。


レフト:「足りない分はと……」


レフトは【ウィスパーヒール】を使用した。ライトとニシの体力が5回復した。


ライト:「すまない。随分リソースを使ってしまった」

レフト:「いえいえ。仲間の命に比べたら安い被害ですよ」

キタ:「お前爽やかそうな顔して結構無茶するのな〜」

ライト:「ああ。男らしくないとな」

ヒガシ:「男らしく……?」

ライト:「前に立って戦ったり多少のダメージも気にしないって、男らしくてかっこいいだろ?」

ヒガシ:「じゃあ兄さんはこの中で1番男らしいんだね!」

ニシ:「え!? そ、そんな事ねーけどよ!」(喜びが隠しきれない)

キタ:おーい、尻尾揺れてんぞ。

GM(店主):「ライト……やはり君は……」

ミナミ「?」


ニシ:これはあれ、経歴に準じたロールプレイってやつ?

ライト:そうだな。まあ『ライト』にも色々あったんだよ。


エリア⑨

時刻 12:50

start                gole

①-②-③-④-⑤-⑥-⑦-⑧-⑨-⑩

                ↑現在地


道を歩いていると、開けた場所に着く。隅田川へ続く大きな滝と花々が光るそこは嵐の前の静けさのような、不気味なほどに綺麗だった。


GM(店主):「魔物の気配がしない。先のライトの件も有るし、ここで一休みしていこう。お弁当を作ってきたんだ!」

トドロキは7つのお弁当箱を持ち出す。それぞれ3日間でトドロキが覚えた各々の好物が入っているものだ。トドロキの魔法で温めてくれるからどの料理も出来立て熱々だ。


ニシ:「おー! ワイバーン肉のローストとカツサンド!」

ヒガシ:「鮭のホイル焼きに山菜と春キノコのグリル!」

キタ:「牛すじ肉の麦酒煮とキャベツの漬物!」

ミナミ:「……蒟蒻ともも肉と大根の煮物」

ライト:「オムハヤシとエッグペネディクト……異国の料理をここまで完璧に作るとは」

レフト:「オニオングラタンスープも完璧です……いや、ヒノマルらしいアレンジでしょうか、お出汁の香りがします」


ニシ:ここで休んでも問題ない感じ?

GM:せやな。因みにここで1時間お休みするとHP5、MP5回復すっぞ。

キタ:リアルガチにボス戦前の小休止じゃん。

ミナミ:まああれだ、休もう。


こうして全員は1時間の休憩を行うことにした。ある人は滝の元へ、ある人は花畑へ、ある人は会話に花を咲かせて、皆思い思いの休みを楽しむ。


RP(キャラ深掘り&関係性強化)タイム

ミナミ&ライト 修行しようぜ!

〜滝にて〜

ライト:「ほほう。ここはヒノマルの修行として有名な滝行が出来そうだな」

ミナミ:「……つかぬことをお伺いしますが、ライトさんはエルフですよね?」

ライト:「そうだが、それがどうした?」

ミナミ:「エルフとはその、手先が器用かつ身軽な種族ですが、やや非力な存在であることは確かです。何故敢えて肉弾戦を?」


ライトは少しだけうーんと考える。そして、再び胸を張った。


ライト:「拳で戦うのって男らしいというかさ、かっこいいと思わないか?」

ミナミ:「えっと、先程攻撃を一手に受けたそれのように?」

ライト:「そうさ。昔のオレはナヨナヨしてて全く戦えなかった。だが色々あってな、今はかっこいいとか男らしいとか強そうとか、そういう自分になりたいってずっと思ってる。けどまだまだ修行半ばだからな。カッコいい事いっぱいしていつかはヒノマルを平和にしたいんだ。そのためにオレはこの島にきた」

ミナミ:「……昔がきっかけ……ですか」

ライト:「あ、お前は生後1ヶ月だったな。大丈夫だって。お前も年取ったらそういうのいっぱい出来るから。な?」

ミナミ:「……恐縮です(過去の自分から変わるなど不可能だ。特に私やあなたのような姿が変わらない、もしくは変わりにくいかつ聡明な種族であれば分かるはず。一度しでかしたことは消えない。一度焼きついた認識はどうあっても塗り替えられない)」

ライト:「ん? どうした?」

ミナミ:「いいえ、なんでもありません。またまた野暮な事を伺うかもしれませんが……水に強い適性を持つエルフが滝行をしても大した成果は得られないかと」

ライト「……あ」


片や過去を乗り越え人生の糧にする者、片や過去に寄生され憂ながら命をすり減らす者。相反する彼らはまだ互いの本性を知ることすらなく、恐ろしくも平穏な時間を享受していた。




ヒガシ&キタ 隠す者と探る者

〜花畑にて〜

キタ:「なあなあ。リルドラケンのバケモノっぷりはニシのおかげで分かったけどさ、お前もさぞ怖かったろ? 拾われたとはいえ周りに竜種しか居ないんだからな」

ヒガシ:「そ、そうだね。15になる頃には僕もみんなも慣れてたけれど、村にいた頃は身体も弱くて食欲もないって心配されてたな」

キタ:「だろ? あいつら丈夫だし、何より大食いだかんな!」


花畑ではヒガシとキタが昼食をとっていた。ヒガシの弁当箱に入っている低カロリーな食品を見れば、冒険者としては少食な部類であることはすぐに分かる。ニシの食べっぷりと比べたら、周りのリルドラケンはさぞ心配しただろうなとキタは苦笑いする。__と共に今まで少しだけ疑問に持っていたことを聞いてみる事にした。


キタ:「そういやさ。お前っていつぐらいに拾われたん?」

ヒガシ:「……覚えてない。赤ちゃんの時だったからさ。村の近くで鳴き声がしてたのを孵化施設で働いてたお医者さんが見つけてくれたの」

キタ:「へぇーそんな山奥に捨てるなんざ随分手間がかかってんな」

ヒガシ:「そ、そうだね。近くには村もないし朝方で視界も悪かったから、町のお医者さんが見つけてくれなかったらきっと死んでたよ」

キタ:「そうなんか。……ところで、やっぱ体弱いんだな。フード取りたがらないし」

ヒガシ:「ッ……うん。でも大丈夫。心配した巫女さんが僕に魔法を教えてくれたんだ。村のおじいちゃん衛兵さんには筋肉を使わずに身軽に戦う方法も教えてもらった。それに兄さんもいるよ。……でも、キタの射撃はすごいね! あんなに遠くにいても当たるなんて凄くかっこいいよ!」

キタ:「だろー? あれコツがいってだな……(何がはぐらかされてる気がするが……追及しようにも材料がねえ)」


それは花畑の様な彩で満ちた探り合いだった。様々な色という名の言葉を持ってごまかし探り、隙をついて攻撃してははぐらかす。このやりとりが終わるのは、ふたりがお弁当を食べ終わるその時まで……




ニシ&レフト 探究する者、拒む者

〜川のほとりにて〜

レフト:「……つまり、このお出汁はカツオ節なるものから出ていると?」

(店主):「本来であれば硬くて食べられないものだけど、薄く削って使えばいい出汁が取れるんだよ。それをたっぷりの水と火にかけて、沸騰直前に鰹節を取り出せば完成!」

ニシ:「他にも昆布とか煮干しとか、色々だし取れるやつがあるんだ」


休憩中であっても知識欲は止まらないのか、レフトはトドロキをニシ諸共質問責めにしていた。料理の文化の違いに興味津々なレフトは疲れはじめてきたニシなんそ知らんぷりにテンションを上げる。


レフト:「やはり異国の文化は素晴らしい研究材料です! 勉強のしがいがあります!」

ニシ:「好きだなぁ勉強……ヒガシにうつらなけりゃいいが」

(店主):「熱量はさておきお勉強に興味を持つことはいい事だと思うけど?」

ニシ:「い、いやその……あいつ体弱いから変な所にフィールドワークとかしたら心配だし」

レフト:「大丈夫ですよ。ヒガシくんが興味を持った事柄であれば私も全力でお供しますので!」

ニシ:「ど、どうも……」


ヒガシへの悪い影響を心配しながらも、休憩時間一杯まで会話進んでいった。


全員のHPとMP5が回復した。

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