1-5 彼等が育つその酒屋
戦闘後処理
レフト→ヒガシに【ウィスパーヒール】を使用。5点回復。
6人が手際良く敵を倒し、剥ぎ取るその様を見てしばしば感心する村長。成り行きを見ていた外野の雑魚達も、自分のボスであるボルグがやられたのを見てしっぱを巻いて逃げて行く。脅威は去った、これでこの村はしばらく平穏が続くことだろう。
ライト:「……驚いた」
レフト:「ええ。とても見習いとは思えないほどの動きでしたね。……彼等なら、きっとギルドマスターも歓迎してくださる事でしょう」(ライトにコソコソと話す感じで)
ライト:「しかしそれはアイツらにいうべきではない。慢心ほど怖いものはないからな」(レフトに聞こえる程度の音量)
キタ:「オイラたち最強! なんかめちゃくちゃ楽しかったな!」ぴょこぴょこと飛び跳ねてると思う。
ヒガシ:「うん。訓練の時とは全然違う。やっぱり冒険者というのは心が躍るよ、ねえ兄さん!」
ニシ:「あ、ああ。ヒガシがそう言ってくれてよかった……」ちょっとだけ無理して作り笑いしてる。
ミナミ:「少しずつですがコンビネーションが安定してきましたね。特に先の戦いでは、全弾命中。皆さんのお役に立てて嬉しく思います」
GM:村長はよくぞ倒してくれましたと6人を手放しに褒めてくれるね。
「そうだ! もし宜しければ、おふたりだけでなく、あなた方も報酬を受け取ってくださりませんか?」
村長はライト達の分に用意していた報酬に加えて、ニシ達にもあげようとしてるよ。
ニシ:うーん。まだギルドにも入ってないのに……
GM:まあ断っても押し付けられると思うけどな。黙って受け取っとくのが助けた側にできる礼儀だとは思うぜ。
キタ:せっかくの報酬だしね。守銭奴な『キタ』なら喜んで受け取ると思う。
ミナミ:ちなみに報酬の額は?
GM:それぞれに700Gだ。初めてしかも見習いに対しては払い過ぎなぐらいの大盤振る舞いだ。
ヒガシ:そんなに貰って申し訳ないけど断るのもそれはそれで嫌だから、大人しく受け取っとくよ。
ヒガシとキタが受け取るのを見てならば俺達もとニシとミナミも受け取った。多くの住人に感謝を述べられながら村を出る、随分と足を止められたが、本来の目標エドにある冒険者ギルドへ向かうを再開しよう!
さてさてエドがそろそろ見えてくる道中、彼等は会話に花を咲かせた。
ニシ:「あの、ずっとまともに自己紹介出来なくてすみません。俺、リルドラケンのニシ・カタラギって言います。ヒノマルだとカタラギ・ニシって呼び方がメジャーっすけど、自由に呼んでください」ちょっと緊張気味に。
ヒガシ:「同じくヒガシ・カタラギです。兄さんと一緒に冒険者になるために山を降りました!」こっちはグイグイ行く感じで。
ライト:「別にタメ口で構わん。それにしても、兄弟なのか? その割にはヒガシには翼も尻尾もないな」
ニシ:「そ、それは……ヒガシは村の近くに捨てられていた『人間』だったから、な?」
ヒガシ「……うん」目を逸らしつつ作り笑いしてる。
レフト:「そうなんだね。それにしても、レッサーリルドラケン……文献でしか見たことない希少種とここまでお近づきになれるなんて」目をキラキラさせている。
ニシ:「そ、そんなに珍しいか? 村には俺以外にもこのタイプのリルドラケンちょっとはいたんだけど……」
レフト:「なるほど……ヒノマルの気候か、食生活か、何らかの習慣か、とにかく何故レッサーリルドラケンが存在するのかはわからない。機会があれば是非取材をしておきたいよ」
どうやらレフトは妖精使いというだけではなく熱心な学者でもあるそうで、ニシやヒガシだけではなく、キタやミナミにまでこの島での生活に関する質問を投げかける。ライトにまでこいつの質問責めには気をつけろと言わせるその心が大いに理解できる時間だった。
一通りレフトが満足した頃には、エド幕府の象徴たるエド城がすぐそこに迫る、エドの城下町に到着だ! 秘境島ヒノマルに生きるほとんどの人族はこのエドの周辺に住んでいる。それでも人口は4万人ほどで、他の大陸の都市例えばルキスラなどに比べたらやや小規模だ。それでもこの小さな島でこれほど栄えている都市を作れるとは、歴代将軍の手腕を感じさせる。
ヒガシ:「す、すごいよ兄さん! 村の人に聞いてたよりもずっと大きな街だ!」
ニシ:「人がいっぱいだな……リルドラケンも少しいるな」
キタ:「本当に田舎者なんだなぁここら辺は浅草寺とかあってな。お店いっぱいだぞ! もっともっといったら港町もあるぜ!」
GM:キタの言う通り、近くに見える大きな神社にはたくさんのお店があって、ただ参拝に来た人だけではないと一目でわかるね。
ライト:「寄り道をしている暇はないぞ、さっさとギルドへ行こう」先陣を切ってギルドへ帰る。
レフト:「ごめんね、ライトくん仕事人みたいでさ」
ミナミ:「いいえお気になさらず。さあ急ぎましょう。彼早歩きなのであっという間に見失ってしまいます」
GM:ライトに置いていかれないようについて行くと、浅草寺から少し離れた場所にある居酒屋へ辿り着く。美味しそうな匂いが漂うそこは昼間ではあるが営業時間のようだ。そうここが君達がお世話になるギルド、『花丸』である。外観は下町の居酒屋そのもので、とても冒険者ギルドには見えなかった。
ヒガシ:「えっと、冒険者ギルドは幕府非公認だから、こうなって擬態してるのかな?」
ライト:「だろうな。ではドアを開けるぞ」ノータイムで開く、ノータイムで。
キタ:「こ、これがモノホンの冒険者の胆力!」
ライト:そうだぞ。因みに俺は常連の多そうな店には怖くて入らないタイプだからそれの対だ。
一同:(笑)
GM:ガラガラと立て付けの悪そうな引き戸を開けて中に入る。中は思ったよりも広くて、カウンター席と椅子に座るタイプのテーブル席、奥には畳みの上に座れるタイプのテーブル席まで完備されている。カウンター越しにいる店主はライトとレフトの姿を見て笑顔で出迎えた。
「やあライトとレフト。思ったより早かったね。蛮族は大丈夫だった?」
店主トドロキ。元冒険者で魔法戦士……なのだがほがらかな雰囲気の今の彼ではその様子を察することはできない。いいように言えば優しげで、悪いように言えば筋肉以外はパッとしない感じだ。さあ自由に動いていいよ、どうする?
レフト:ならトドロキさんに蛮族を退治できた事と、この強い4人に手伝ってもらったことを話します。そんであわよくばあの4人をギルドに所属させてもらえないかも打診します。
ライト:店主に剣のかけら渡して名誉点に変えてもらう。
ヒガシ:お店の中探検する!
ニシ:『ヒガシ』について行く。
キタ:じゃあカウンターに座って美味しそうなメニューないか見てみるぜ。
ミナミ:命令をされてないからそこら辺でぼーっと突っ立ってよう。
GM:了解。各々が自分の思うままに時間を潰す。店主は6人の活躍の話をレフトから聞いてなるほどと唸る。
「確かに、話だけを聞く限り見習いにしておくには勿体無い実力だ。……でもこのギルドで依頼を受けるには、こちらが提示する課題をクリアしなければならないと言うルールがあるから……」
レフト:「そ、そうですか……」
GM:しかし店主は次のように話します。
「大丈夫だよ。ボルグを倒した彼等なら楽勝な課題さ。二人が手伝ってあげればほぼ確実に彼等もギルドに入れるよ」
キタ:「お、マジで!?」目ざとく反応するぜ、目ざとく。
レフト:「本当ですか!?」落ち着いたレフトには珍しく嬉しそうに言う。
ライト:「アイツらには手伝ってもらった恩があるからな。次は俺たちが手伝うのも道理か」
GM:「とはいえみんな戦ったばかり。まずはたくさんご飯を食べて休息しよう。試験は3日後、それまではこの花丸で自由に過ごしてくれていいからね」
ヒガシ:すごい太っ腹な店主じゃん
ニシ:なんか美味しいご飯とかある?
GM:えっと。何と言ってもおでんだね。焼き鳥やだし巻きなんかもあるし数量限定で定食や丼物もあるけど、それでもまずはおでんだよ。勿論お酒もあるで。
ライト:なるほど、つまりGMが好きなおつまみか。
GM:そうとも言う(笑)
ヒガシ:じゃあ気が済むまで店を見たらおでん食べようかな。こんにゃくがいい。
ニシ:俺餅巾着。
キタ:牛すじ。
ミナミ:『ミナミ』は何か食べるかなぁ、とりあえずちくわでも頼んどく。
ライト:卵。
レフト:じゃあ味が沁みた大根がいいな。
GM:ほいほい。店主は気前よくよそってくれるよ。試験まであと3日。たっぷり英気を養って備えよう。はい第壱部の壱章はこれにておしまい! 戦闘の比率が高かったけどよく頑張りました!
レフト:今更だけど、おでんに牛すじ?
キタ:……え、知らないの? 人生の半分損してるぞそれ。
ライト:お前の人生の半分はおでんに入ってる牛すじなのか……
第壱章 初めは小さな光だった 完
報酬(割り切れなかった分を調整)
ニシ 806G
ヒガシ 806G
キタ 807G
ミナミ 807G
ライト 747G
レフト 747G
剣のかけら 名誉点と交換→各11点
経験点&成長
シナリオ達成報酬 1100点(PC平均レベル×500)
ニシ 1320点 敏捷度+1
ヒガシ 1320点 知力+1
キタ 1330点 器用度+1
ミナミ 1280点 精神力+1
ライト 1250点 生命力+1
レフト 1250点 器用度+1
続きは5月の下旬から順次投稿します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます