第壱部 エドに轟く六つの光
第壱章 初めは小さな光だった
1-1 その二人、山から降りし彗星の卵
※会話はいつも通り『:』を使いますが、PC同士の会話は『(例)ニシ:「」』のようにいたします。なおチャットは()で表現します。
GM:じゃあまずはプロローグ的なやつな。お前らにはこれから1セッションかけてパーティを組んでもらう。
ヒガシ:おー手が混んでいるね!
キタ:俺たちは出番が来るまでできるだけ黙ってるから、そっちの方がリプレイ作りやすいだろ。
GM:キタに気を使われただと……とにかく、まずはタイトルにもなっている通り、一応この超長期キャンペーンの主役、リルドラ兄弟の導入から始めまーす! 二人とも準備はええか?
ニシ:はい。
ヒガシ:OK!
とある日の明朝。白い大きな翼と白い角を持つ人型竜種の青年と、フードを深く被った色白の少年は山を降りていた。冬を終えたばかりの明朝はまだまだ冷え込み、フードの少年がはーと息を吐けばたちまちそれは湯気のようになった。山道は獣道という他なく、野伏として生まれた竜の青年が必死に道をさし示しながら少年の腕を引く。年端もいかぬ2人にとって、朝早くから温かい故郷の里を離れての下山は辛い道のりであっただろう。それでもお日様がもう少しだけのぼる頃には山を抜け、ようやっと一息ついた。
兄弟のように育ってきた異種族の二人は、張り詰めていた緊張の糸がほぐれたのか向かう先エドについて小話を始める。さて、どんな話をしているのかな?
ヒガシ:「兄さん、もう大丈夫だよ。手を引いてくれてありがとう」
痛いぐらい握られていたその手はようやく離された。
ニシ:「魔物に出会わなくて良かった。まだギルドにもついてないのに襲われたらたまったもんじゃないからな。……腹減ったか?」
ヒガシ:「ちょっと空いてるけど……まだ平気!エドにはきっと美味しい朝食や異国のご馳走が沢山あるよ! 楽しみだね」
ニシ:「ああ。酒屋についたら好きなだけ食べよう」頭をよしよしと撫でる。
朝日に照らされた二人は、これから冒険者になるべく山を降りたのだろう。ヒノマル周辺にのみ存在を確認されている希少種レッサーリルドラケンのニシ。リルドラケン生まれのナイトメアのヒガシ。相反する名前を持つ二人であるが、間柄は良好の一言だった。卵から生まれる時は勿論のこと、幼い頃から全てにおいて共にあった彼らは旅立ちのときも同じだった。
ニシ:エドまでの道のりってちゃんと知ってる感じ?
GM:そうだね。獣道を抜けて土と足で作られた河川敷についたから、わざわざ地図作成をするまでもないという感じ。
ヒガシ:じゃあお腹空いてるだろうし真っ直ぐ行こうか。ちょっとウキウキと小走りしながら行こう!
ニシ:なら『ヒガシ』へいつでも《かばうⅠ》を使える位置にいながらウキウキ歩くヒガシについていく。
GM:了解(ブラコンロールプレイが乱れないな(笑))
GM:美しい川沿いの道を二人は歩いているよ。川の反対側には小さな村が見えるね。その川の水を使っているのか大きな畑に囲まれた百姓の村という感じ。
ヒガシ:「あそこで取れたお野菜がエドに向かってるのかな?」
ニシ:「そりゃあんなにあったら村で食べきれないからな。村を出て売りに行ってるんだろう」
空気の澄んだ爽やかな朝。二人しかいない穏やかな空間。ヒガシはエドが待ちきれないのが足取りは軽い、ニシはそんなヒガシをいつでも守れる場所にいながらゆっくりとついて行く。
GM:とても平和な道ですね? ではここで村の方角から小さな音が聞こえてくる。音の方角は村の中でも一際大きな家が見えた。
ニシ:いきなりか! えっと、《聞き耳判定》お願いします。
ヒガシ:目標数値は?
GM:うーん。二人の声しか聞こえない中での遠くの声の聞き耳だから……7でお願い。
ニシ:わかった。(コロコロ)成功!
ヒガシ:僕も。
GM:村の方角から何やら低い声で言葉が聞こえてきた。その言葉は一見何を言っているのわからず二人は小首を傾げるが、その後再び今度は先よりも高い声で「助けてー!」と聞こえた。
ニシ:「何!? ヒガシ、少し村を見てくるからお前はここにいろ!」
ヒガシ:「何言ってるんだい僕も行くよ。兄さんだけじゃあ図体の大きい格好の的だからね。僕みたいな多少身軽さに心得のある存在が必要だろ?」
ニシ:「……危なくなったら俺を置いて逃げるんだぞ」
ヒガシ:「うん。君は死んでも僕を守ってくれるでしょ?」
ニシ:「へいへい」
GM:じゃあ二人で行こうか。二人がいる川沿いと村を繋ぐのは畑の間に挟まっている道だけ。手押し車が二つ通れるぐらいの二車線道路だから割と広々としてるね。そしたら畑から取ったお野菜を持って逃げようとする蛮族に出くわすよ!
ニシ:数は?
GM:取るに足らない。二体だね。
ヒガシ:倒すか。
ニシ:倒そう。
GM:迷いがねえ……(笑)
その蛮族は二人の存在に気がつき、野菜を明後日の方角へ投げ捨てる。野菜、もっというと綺麗な桃色のカブは地面に叩きつけられヒビが入ってしまった。食べられはするが、人に売ることはもうできないだろう。
ニシ:「村の人たちが丹念に作った野菜を……許せねえ」
ヒガシ:「こんなコソ泥風情楽勝だけど、恨みも込めて手堅く倒そうか」
GM:では戦闘をはじめます。戦闘準備は何かする?
ニシ:【ビートルスキン】使って防護点あげる。そんで『ヒガシ』に《かばうⅠ》。
ヒガシ:僕はいいかなぁ防具は金属製じゃないから異貌も必要ないし……あと二人ともセージ持ってないけど一応魔物知識判定も真面目に振ろう。
ニシ:うん平目でもいけるかもしれない。
GM:おけまる、目標値は2体とも5です。
ニシ:(コロコロ)よし成功!
ヒガシ:こっちもセーフ。
GM:まあ5だったらセージ要らんか。敵は2体のゴブリンAとBだ。戦闘ルールは基本戦闘、ゴブリンAとゴブリンBは2体とも前衛だ。雑魚戦だからね、命中や回避のダイスは振らずに手早く行こう。
ニシとヒガシも前衛に位置取る。冒険者を志す二人はギルドに行く前に初バトルを迎えることになった。
※本超長期キャンペーンでは戦闘はずっと基本戦闘で行います。あしからず。
先制判定(目標値11)
ニシ→失敗
ヒガシ→失敗
ゴブリン達の先制!
ヒガシ:「くっ速い! 忍ぶしかないよ!」
ニシ:「そう簡単に倒れると思うなよ……」
(以後ゴブリンはAとBで呼び分けます)
第1ラウンド
GM:Aは意気揚々とヒガシに襲いかかります!
ニシ:《かばうⅠ》使ってるから俺がダメージ受ける。
GM:ではではダメージ判定をば(コロコロ)13ダメージ!
ニシ:高え(笑)相変わらず無駄に出目いいのなんなんだよ加減しろ馬鹿! (防護点8だから5ダメージな)
GM:チャットに喋らせてGMにチクチク言葉使うのやめなさい。
ゴブリンの手応えを感じる重い一撃がニシに向く。しかしレッサーといえど流石はリルドラケン。その衝撃の半分を掻き消し見事に耐え抜いた。
ヒガシ:「兄さん!? 大丈夫!?」
ニシ:「ぐう……まだまだ!」
GM:間髪入れずに今度はBがニシに襲いかかる。
ニシ:回避判定……(コロコロ)成功!
GM:先程の攻撃なぞなんなその、同じ手にはかからんと見事かわしてみせた!
ニシ:「見え見えなんだよ。庇う時ならまだしも、俺を狙ってるってなら回避は余裕だ……じゃ、今度はこっちの番だな!」
ニシ:ヒガシに《かばうⅠ》使いつつAにバスタードソードで攻撃する(コロコロ)げっ失敗した。
ヒガシ:ならば僕も挽回しよう。Aにレイピアで攻撃(コロコロ)1突き目は5ダメージ、2突き目は……(コロコロ)6ダメージ!
GM:安定してるね二刀流。
ニシの攻撃を交わしたAにできたわずかな隙を狙ったヒガシの2連突きが見事炸裂! 素晴らしいコンビ攻撃だ。
防護点差し引いてAに合計7ダメージ!
第2ラウンド
GM:半分近いダメージを受けたぞゴブリンA、しかしまだ2人へ向かってくる。仕返しと言わんばかりにヒガシに牙を向く!
ニシ:『ヒガシ』に《かばうⅠ》を使う。
GM:おーけー(コロコロ)10のダメージ!
ニシ:残念防護点引いたらだったの2よ。「羽虫に噛まれたのかと思ったぞ。さっきのに比べたら非力よ非力!」
ヒガシ:言い回しが悪役。
GM:じゃあBもヒガシへ攻撃だ!
ヒガシ:えっと……《かばうⅠ》は一回限りだから回避判定か。(コロコロ)成功!
GM:大きな彼に守られるだけの弟ではない! 持ち前の身軽な動きで華麗に避ける。
ニシ:今度こそ当たる。バスタードソードでAを攻撃。(コロコロ)また外した……
ヒガシ:じゃあまたコンビネーションしようか。Aにレイピアで攻撃。(コロコロ)自動成功! しかも1回転でクリティカル!(コロコロ)2突き目も命中で11と5のダメージだ!「今だ! 身体を穿つ!」
GM:お見事! 防護点引いても12の大ダメージ。兄が引き付け弟が決める、見事な連携でゴブリンのAは倒れたぞ!
ニシ:攻撃が当たらない……「ヒガシが兄ちゃんの助けが必要ないぐらい強い」
ヒガシ:大丈夫次はいけるよ。「兄さんが守ってくれてるから安心して戦えるんだよ」
第3ラウンド
GM:相方が死んでも目もくれない。Bはニシに向かって棍棒を振りかぶる!
ニシ:か、回避はせめて……(コロコロ)よっしゃ成功!!
ヒガシ:そんなに必死にならなくても。
ニシ:五月蝿え兄ちゃんの威厳だ!
一同:(笑)
GM:弟への対抗心か、兄としてのプライドか。大きな身体をものともせずに、ニシは攻撃をかわした。
ニシ:これで攻撃も当たってくれたら(コロコロ)当たらない……「ごめんよダメな兄ちゃんで」
ヒガシ:「大丈夫だって! 冷静にやればいけるよ、見てて(コロコロ)外した……」
GM:うーんぐだぐだしてきた。
第4ラウンド
しかしそれでも回避は強い。再び振りかぶられた攻撃を、ニシは再び避けることに成功した。
大方の予想通り攻撃は外れ周りからの笑いをかっさらい、ヒガシが2突き目を見事に的中させ6ダメージを稼ぐ。
5ラウンド
Bがヒガシを狙う。しかし例によって再び《かばうⅠ》を使った。防護点で相殺できる微量な攻撃だったけれど。
ニシ:「ハッハッハ! 非力非力!」
ヒガシ:大丈夫? 攻撃当たらなすぎておかしくなっちゃった?
GM:シンプルに防護点でノーダメになる程度の攻撃を嘲笑ってるだけだと信じたい。
ヒガシ:(コロコロ)「よし、またまたクリティカルでしかも2回転! 12ダメージでゴブリンを倒したぞ! 」
ニシ:「ヒガシ……立派になったな」
GM:出目いいのと悪いのが組むと面白いな。
GM:何はともあれ2人は勝利した。2人を阻むものは誰もいない。
ヒガシ:戦利品は惜しいけど今は村の人優先にしよう。「えっと、じゃあ村に急ごうか」
ニシ:ヒガシがほとんど片付けたから兄貴としてのプライドが揺らいでると思うよ「……うん」
GM:村へ走る2人。近づくに連れて、先程の声の主の正体が判明していく。
一方その頃村では
キタ:「いやいやオイラは後衛なんだって!」
ミナミ:「奇遇ですね私もです。前衛がいないとまともにやり合えませんね」
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