06.「普通に高評価してるじゃないですかお友達から始めてみては?」
スノーブーツを出そうか迷って結局履かなかったぐらい絶妙に曖昧な量の雪が一斉に落ちて来て、町を覆ったのだ。理由は
こうした人間から見限られた神々は群れて悪さを起こし、恐怖により信仰心を取り戻そうとする習性がある。その悪さの中でも、定期的に訪れる特大の迷惑行為が〝
「
「国中を見渡してもトップレベルに危険な〝
「……許嫁候補となっていたのはそれが理由ですか?」
幾ら私が喚こうが涼しげだった
「高望みなのよ。その気になったら舌打ちで神を殺せる
「恐らく真に見極めたいのは、
「でしょうね。言ってしまえば、喋っただけで自分を殺せる相手といたいかって話になるし。私だって人間だから、カッとなって乱暴な言葉を遣ってしまう時だってあるわ。そんな衝動的な暴力により殺されたい人なんているのかしらって事よ。さっさと親も諦めて、放っておいてくれないかしら。私って一人でいるべきよ」
自分とは一人でいるべき。
何度聞いたか分からないその言葉に、ついむすっとしながら返す。
「私はあなたといて困った事などありませんが」
「それはあなたが優しいからよ」
これ以上この話題を続けると、何度繰り返しているか分からない言い合いになる。お互いに分かっているしそんな事は避けたいので、沈黙が這い寄って来るのを眺めた。
かと言ってそれに居座られるのも居心地が悪く、
「という訳で今回の〝
私も何事も無かったように切り替える。
「旧家の方なんですから私より優秀な事は見ずとも分かります。許嫁候補の話は一旦様子見となっているんですから、
「だって
「いつそんな遣り取りを?」
「昨日別れ際に連絡先交換したから普通に」
普通に友達になってんのかよ。
昨日の意気投合で分かってたけれど、別に仲が悪い訳じゃないんだよな、この二人。利害の一致に過ぎないかもしれないけれど、友人としてなら上手くやれると思う。それと結婚は話が別になるのは当然だが。いや当然だが私を巻き込まないで欲しい。
「ああそうですか……。そう言えば、
「一人暮らしの為に借りたアパートよ。一人暮らしの目的は私からあなたに変わったとは言え、わざわざ遠い実家にとんぼ返りする理由も無いからね。うちの高校の編入手続きも済ませてるそうだから、時間帯的にもう登校してるかもしれないわ」
「わざわざ登校されるんですね……。〝
「早くクラスに馴染みたいんですって。あなたのクラスでの様子も知りたいって言ってたわ」
「知ってどうするんですか。何組所属になるかなんて分からないのに」
「私の許嫁候補として来てるんだから私と同じクラスに決まってるじゃない。つまり私の侍女であるあなたとも同じクラスって事よ。ふふ。きっと皆びっくりするでしょうね。〝
「普通に高評価してるじゃないですかお友達から始めてみては?」
「いいの?」
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