2.自由恋愛って政略結婚よりヤバいかも
05.「ソンナ訳無エダロウガッ!」
然し結婚だの許嫁だの言った所で、日本で結婚出来る年齢は男女共に十八歳から。女性は十六歳から結婚出来る頃の時代だと
当然だが
これまで両親の干渉に、徹底的に言葉での抵抗を重ねて来たのはこの日の為と言わんばかりの
当然
まあ、一旦は収まったと言える状態に落ち着いたので、今後について考えよう。さて
「ソンナ訳
理不尽の余りひっくり返った声で叫んだ。まだ八時には少し遠い早朝の路地に、私の奇声が鳴り渡る。
隣で欠伸を噛み殺しながら
「変な鳥でも飛んでると思われるわよ」
「勝手に思えばいいですよ他者の思想や言葉とは
「ご機嫌斜めねえ」
登校時刻に迫られこうして歩いている訳だが、私の内心とは史上最大じゃないかってぐらいに乱れていた。当たり前であるほんの三時間程前に主の許嫁候補が突然現れ私に交際を申し込んで来た挙句主との縁談を霧消させようとしているのだ主の強力な援護を受けての私の意思そっちのけで。
たった数時間で私の十七年の人生が破壊されつつある。こんな時に真面目に学校なんか行ってられるか。
でもサボったら両親が悲しむし
「私ってどこにも行けない……」
「今学校に向かってるじゃない。それにいいのよ。気が合わなかったら
「そんな一般論が通じる訳無いでしょうご両親の態度を忘れましたか!」
「バチギレしてたわね。
「ええつまり
「クビにはならないわよ。代役出来る人いないし、
「イキッて壊したみたいな言い方やめて下さいあれは修学旅行中に神が観光客を襲いに来たから迎撃したら巻き込んだんです!」
一緒にいたから覚えてるだろうがてか今言うなそんな耳の痛い話!
我を忘れて怒鳴りまくる私に、然し
「それに一般論も通じるわ。
私も大声を出した所為かお陰か妙に落ち着いて来て、怒鳴る気にならなくなる。
「顔を合わせ次第即刻断る
「早計じゃない? まだまともに話してもないのに」
「今日が何の日かお忘れですか」
「いいえ? こんな空模様なんだから」
町は夜明けと共に四月にも構わず銀世界になっている。雪化粧が施された桜を見かける
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