第12話 まさかの…2

「まさかだな…」

「まさかだね…」

山口さんの家がまさか隣だったとは。


「あら?葵?こんな所で何してるのー?」

後ろから山口さんを呼ぶ声が聞こえたので、振り返ると女の人が不思議そうに俺達を見ていた。

「あ、お母さん。ただいまー」

「お母さん!?お姉さんじゃなくて!?」

「うん、お母さん」

マジかー!お姉さんにしか見えないんだが!


「あら、ウフフ。嬉しい事を言ってくれるのね!葵のお友達?良かったら家に上がっていって!」

「いえ、せっかくですが…」

「遠慮しないで上がっていってよ!山下君!家もお隣さんなんだし!ね!!」


「じゃあお言葉に甘えて…。」

「うんっ!」


俺はまさかの山口さんのお家にお邪魔する事になったのだった。


「あら!大地君お隣さんだったのね!

葵と仲良くしてあげてね!」

「ちょっとお母さん!恥ずかしいからやめてよ~!」

「アハハ…」


「でも珍しいわね!葵が男の子と一緒にいるなんて!お母さん嬉しいわ~!」

「ち、ちょっと余計な事言わないでよ~!」


山口さんが男子とあまり話をしないというのはやはり本当らしい。


「も、もう!山下君!私の部屋来てっ!

ここだとお母さんうるさいしっ!」

「あらあら~!葵ったら大胆ね~!」


山口さんは顔を真っ赤にしながら俺の腕を掴んできた。


「じ、じゃあ失礼します」

「ゆっくりしていってね~」


山口さんの部屋は二階だそうで…女の子の部屋なんて入るの初めてなんですが!?


心臓のバクバクがヤバいよ~!!

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