第2話 転校初日2

学校に着いた俺は、とりあえず職員室へと向かった。

前に1度学校内を下見していたので迷う事なく辿り着く事が出来た。


「失礼します」

職員室に入った俺は近くに座っていた先生に話しかけた。

「今日からこの学校に通う事になった山下です」

「おぉ、山下君か!待ってたよ。担任の先生の所に案内するよ」

そう言うとイケオジ風の先生が案内してくれた。

「田中先生、転校生の山下君です」

「あぁ!ありがとうございます、安田先生」

なるほど、イケオジ風の先生の名前は安田というのか。

「山下君のクラスの数学を担当してるから分からない事があったら何でも聞いてな」

俺にそう言うと安田先生は自分の座席へと戻っていった。

「山下君ね!担任の田中里美です。転校したばかりで、色々分からない事があると思うから何でも遠慮なく聞いてね!」

「ありがとうございます」

「朝のホームルームの時間に山下君には自己紹介してもらいたいから、先生が呼んだら教室に入って来てもらえるかな?」

「分かりました」

それから学校の説明等をいくつか聞いていると教室へと向かう時間になった。


「よし!じゃ教室行こっか!」

そう言うと田中先生は歩きだした。

「教室は4階にあります。

あ、そういえば山下君は自己紹介の時何て言うのか考えたのかな~?」

「いえ、特には。普通に名前言って無難に終わらせようかと思ってます」

「え~面白くないな~!1発ギャグとか良いんじゃない!?」

…まさか担任から1発ギャグを提案されるとは。ってか、この先生職員室にいる時は猫かぶってたな。雰囲気全然違うじゃんか。

「ギャグなんてしませんよ」

「え~!先生山下君のギャグ見たいな♪

ギャ~グ♪ギャ~グ♪」


.…何だ、この先生は。めちゃくちゃギャグをさせようとしてくるな。ってかノリが小学生並みじゃないか。

「失礼ですが先生っておいくつなんですか?」

ノリが急に小学生並みになったので思わず年齢を聞いてしまったのだが…

「いくつに見えるかな?」

「合コンかいっ!」

…いかん、思わずタメ口で突っ込んじゃったよ。

「アッハッハッハ!!

山下君ナイスツッコミだね~」

ツボにハマったのか先生は爆笑していた。

パッと見の印象ではあるが、黒髪セミロングに少し幼い顔立ちなので正直同級生と言っても通じそうだ。

「実際同級生ぐらいに見えますよ。

先生可愛い顔立ちですし」

思った事をそのまま伝えたのだが、


「か、可愛いだなんて。先生をからかうんじゃありません!」

変な事言ってしまったか?先生の顔が真っ赤になってしまっている。

「すいません、思った事をそのまま言ってしまって」

「も、もう!この話はおしまい!

分かった!?」

「わ、分かりました」

そんな話をしながら歩いて教室前へとやって来た。

「じゃあ先生が呼んだら入って来てね!」

そう言うと教室へと入っていった。


「今日からこのクラスに新しい仲間が入ります!じゃあ自己紹介してもらいましょう。

山下君、入って来て!」


…よし、軽くこなすとしますか!

「失礼します!」

教室へと入り、ザッと周囲を見渡してみると

30人程のクラスか。男女比率は半々といった所だな。なるほど。

「みなさん、はじめまして!山下大地といいます!親の仕事の都合でこのような時期に転校してきました!みなさんと仲良くなれたら嬉しいです!宜しくお願いします!」

パチパチパチパチ。

まぁ、こんなもんだな。

「山下君の席は1番後ろの廊下側の所ね」

「はい」

席に向かおうとした時、先生の視線を感じた。何かもっと面白い事言えよ!みたいな顔してるな。さっきのギャグが云々言ってたのはマジだったのか!

まぁ絶対やらんけどなと思いつつ俺は席についたのであった。

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