とりあえず飛ぶ。
黒羽冥
第1話とりあえずトリはこうして飛ぶ練習するはず?
僕は…トリだ。
名前は…ない。
なぜならトリだからだ。
さて、僕は生まれた時は雛というものだった。
腹が減ると母鳥が餌を運んできてくれるという自分ではまだとれない為に仕方の無い処置である。
そして僕には兄弟なのだろう…僕と同じく腹を空かせて母鳥待ちである。
あー!餌くるまで暇だな。
僕はこの時…空を見ていた。
ん?何か落ちてくる??
ん?
んん??
「うあーーーーーーー!!」
すると聞こえるおかしな声!!
その瞬間。
ドスッ!!!っと僕の目の前に落ちた何か。
落ちた何かはピクピクしている。
するとそいつはようやく動き出し声を上げる。
「ふぅ〜!助かったぜ!」
「な!だ、誰だよ君??」
見るとそいつは僕たちとは毛色も違う鳥のようだ。
「ん?お前は誰だ??」
「いや!君が落ちてきたんだろ?君が名乗れよ!」
「俺はトリだ!」
「あ!うん!僕もトリだよ。」
「そうか…じゃあトリ!よろしく!」
「あ!よろしく!」
僕たちは訳の分からない会話をする。
「って!俺は飛ぶ練習をしててここに落ちてきたんだ!あ!思い出した!」
「そうなんだ!飛ぶ練習か!」
「お前達はまだ飛ばないのか??」
「そうだねぇ…そろそろ飛んでもいいかとは思ってる…トリだしね!」
「まあな…俺たちトリだもんな。」
「でも飛んだらもう一人で餌とらなきゃならないよね。」
「そうだなぁ…でもやっぱり俺たちトリだし飛びたくならないか?」
「まあね…僕も母さんみたいに飛んでみたいとは思うよ!」
「だろ?だから俺はその飛ぶ練習をしてみたら落ちてしまったって事さ。」
「なるほどね。」
「よし!」
そう言うと彼は動き出す。
「どうしたの?」
「ああ!とりあえず…また練習してみる。」
「さっき失敗したばかりでしょ?」
「まあな!でもいつか飛べるんじゃね?トリだし!」
「そうだね!トリだし!」
僕がそう言うと彼は離陸しようとしていた。
「じゃあな!兄弟!幸運を!!」
「あ!うん!僕は、とりあえず母さんに相談してから飛ぶ練習するよ。」
「おう!俺はとりあえず飛ぶ練習を繰り返すよ!またな!」
「うん!気をつけ……」
バサッ!!と羽を広げ彼は………。
飛べたかどうかは。
とりあえず飛ぶ。 黒羽冥 @kuroha-mei
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます