第4話 手紙

移動して気づいた。どうやらここは病院だったらしい。新しい部屋は陽の光が入る明るい部屋だった。あの薄暗い部屋からやっと逃れられた。


「これ、手紙。」

看護師さんから手紙を渡された。

話し声もいつの間にか不快に思わなくなった。頭はもう痛くない。言葉もわかる。


「帰ったら美味しいもの食べようね 美咲より」


誰?知らない誰かからの手紙だった。俺に待つ人なんていないのに。


でも堪らなく嬉しくて涙が溢れた。


その手紙を大事に何度も何度も読んだ。

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