第3話 暗い部屋

 沢山の人に囲まれた。けれども何を言っているかわからない。会話しようにもこちらが言っていることと会話が成り立たない。話し声が頭に響いてくる。不快だ。不愉快だ。だから耳を塞いだ。

 

 俺は暗い部屋に連れてこられた。よくわからないけど良い場所では無いことがわかった。どうやら服を着替えろと言っているらしい。仕方ないから置いてある服に着替えた。


 俺は眠りについていたらしい。布団の目の前に紙が置いてあった。意味がわからなかった。


 叫び声が聞こえる。急にこの場所から逃げないといけない気がした。


「お前、どうなっちゃうんだろうな。」

死神が現れた。他人事だ。どうせ知ってるくせに。

「どういうことなんだよ。何が何だかさっぱりわからない。」

「俺もわからない。」

冷たく言い放つ。


 助けを求めても言葉が通じないなら、身体で抗議しよう。俺は扉に頭を打ちつけた。ドンッドンッ。鈍い音が響き渡る。

すると扉が開いた。その人達はすごく焦っていた。


 いつの間にか俺は寝ていた。起きたら手足が動かなかった。どうやらベッドに拘束されているらしい。俺は臓器でも売り飛ばされるのだろうか。

バタバタと叫び暴れていると、男の人が入ってきて身体を拘束しているベルトをきつく縛った。


 注射を打たれた。毒だろうか。


 無意味だと悟った。だから言うことを聞くことにしてみた。どうせ俺は死ぬのだから。

出された食事を食べることにした。その時だけ腕の拘束具は外された。静かに食べる。ご飯を食べたのは久々だった。そういえば何日も食べていなかった。


 外の様子は何もわからない。だから一日が終わったのかさえもわからない。


 ただご飯を黙って何度か食べているうちに身体の拘束具は外れた。

扉が開けられた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る