アナタのためにできること…

サクラ堂本舗いまい あり 猫部(ΦωΦ)

初めての手料理

今まで彼氏なんて全然縁なかったんだよね。

友達は小学校や中学の頃から彼氏いたけど

私は恋とは無縁だった。


趣味と言えば読書しかない。

遊びに行くのはいつもの書店か図書館だけ。

陰キャってほどでもないけど、地味でパッとしないタイプの私。

男子と何を話していいのか分からないから、きっかけも無い。


彼氏は諦めて趣味に生きるしかないと思い始めた頃

不意に男性から声をかけられた。


「いきなりで失礼なんですけど、いつも本を買いに来られてますよね?」

「あ、はい…」

「で、あの、、、今日このあとお時間ありませんか?

一緒にお茶でもいかがですか?」


ギョェェェェ!振り向いてビックリした!

その男性は予想を反して高身長のイケメン!

どう見ても女子がほっとかない、細身細腰好みのタイプ!

断る理由なんかないけど、もったいぶって迷ったフリしてみた!


「えっ…今日ですか?」

「あ、もし今日がダメなら都合の良い日を教えて下されば…。」

「い、いえ、急なことで驚いてしまって…。き、今日大丈夫です。」

これがきっかけで交際することになったの。


彼の名はリョウタ。いつも行く書店の店長兼オーナーなんだって。

その頃はまだ彼をよく知らなかったけど、直感で相性良いと思ったの!


交際が始まって半年、今日から私たちは一緒に暮らすことになったんだ!


お引越しも済んだし、今日は彼に手料理を食べてもらうの!

メニューは彼の大好物の鶏の唐揚げ!

ついでに常備菜も作っておけば、品数少ない時に助かるしね。

さあ、作るぞー!


あ…彼が戻ってきた。


「ん…唐揚げって言ってたよね?まだとり揚げてないんだ。」

「今始めたばかりなの、ごめんなさい。」

「そうか。で、こっちの料理は何だい?」

「常備菜。きゅうりと鶏むね肉の和え物だよ。」

「和え物?鶏肉は混ぜないの?」

「今は合わせダレの準備できるまで、トリあえずに置いてるの!」


彼は「そうか!俺の大好物の鶏三昧だね」と

にっこり笑って料理が出来るのを待っている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アナタのためにできること… サクラ堂本舗いまい あり 猫部(ΦωΦ) @hinaiori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ